アメリカシロヒトリの生態と駆除方法
アメリカシロヒトリの生態と駆除方法
ガーデニング勉強中
先生、「アメリカシロヒトリ」って、どんな虫ですか?ガーデニングの本で見たんですけど、よく分からなくて。
ガーデニング専門家
ああ、アメリカシロヒトリね。木の枝先に、まるで綿菓子のような巣を作るんだよ。その中に、白い毛が生えた幼虫がいっぱいいて、周りの葉っぱを全部食べちゃうんだ。
ガーデニング勉強中
綿菓子みたいな巣ですか?なんだか可愛いですね。でも、葉っぱを全部食べちゃうんですか?
ガーデニング専門家
見た目はね。でも、とても食欲旺盛で、放っておくと木が丸裸になってしまうこともあるんだよ。だから、ガーデニングをする人にとっては、厄介な害虫なんだ。
アメリカシロヒトリとは。
『アメリカシロヒトリ』というのは、庭仕事でよく聞く言葉です。この虫は、糸を細く出して枝先に網のような巣を作ります。その中には、白い毛が生えた幼虫がたくさん集まっていて、周りの葉っぱをどんどん食べてしまいます。何でも食べる虫なので、街路樹など、町の植物に大きな被害を与えます。
特徴
– 特徴アメリカシロヒトリはその名の通り、成虫になると翅が白いガです。ただし、すべての個体が真っ白というわけではなく、黒い斑点がある個体もいます。成虫の開帳は約30mmほどで、日本のモンシロチョウほどの大きさです。幼虫は成長すると体長30mmほどになり、黒とオレンジ色の体に、白い毛が密生しているのが特徴です。この白い毛が、アメリカシロヒトリを他の毛虫と区別する大きな特徴となっています。アメリカシロヒトリの幼虫は、集団で糸を吐いて大きな巣を作る習性があります。木の枝先に作られることが多いですが、時には壁や軒下などにも作られます。この巣は、幼虫が日中はその中で過ごし、夜になると出てきて葉を食害するために作られます。そのため、放っておくと木が丸坊主になってしまうこともあります。このように、アメリカシロヒトリは白い成虫と白い毛が生えた幼虫、そして大きな巣が特徴です。
ステージ | 特徴 |
---|---|
成虫 | – 白い翅(黒い斑点がある個体もいる) – 開帳約30mm |
幼虫 | – 体長約30mm – 黒とオレンジ色の体 – 白い毛が密生 – 集団で糸を吐いて大きな巣を作る |
巣 | – 木の枝先、壁、軒下などに作られる – 幼虫が日中は巣の中で過ごし、夜になると出てきて葉を食害する |
被害
– 被害
アメリカシロヒトリはその名の通り、様々な植物を食べる害虫として知られています。桜、楓、プラタナスなど、街路樹としてよく見かける種類を含め、100種類以上もの樹木を食い荒らすことが報告されています。
特に幼虫による被害が深刻です。幼虫は葉の裏側に集団で住み着き、葉脈だけを残して葉全体を食べてしまいます。そのため、木は光合成を行うことができなくなり、成長が著しく阻害されます。酷い場合には、枯れてしまうこともあります。
アメリカシロヒトリの被害は、樹木の美観を損ねるだけにとどまりません。果樹園や庭園などでは、果実の収穫量や品質の低下にも繋がることが知られており、農業従事者にとっても深刻な問題となっています。
被害を受ける対象 | 被害の内容 | 具体的な影響 |
---|---|---|
樹木 (100種類以上) 例: 桜、楓、プラタナス |
– 幼虫が葉の裏側に集団で住み着き、葉脈だけを残して葉全体を食べる – 木は光合成を行うことができなくなり、成長が阻害される |
– 美観を損ねる – 枯死 – 果樹の場合、収穫量や品質の低下 |
生態
– 生態
アメリカシロヒトリは、年に2~3回、世代交代を繰り返す昆虫です。厳しい冬は、木の枝や枯れ葉の下などに産み付けられた卵の姿で過ごします。春が訪れ、暖かくなると卵から幼虫が孵化します。孵化した幼虫は、集団で行動し、葉を旺盛に食べて成長していきます。特に、幼虫の姿を多く見かけるのは、6月頃と8月頃です。この時期は、庭木や街路樹の葉が、アメリカシロヒトリの幼虫によって食い荒らされる被害が多く発生します。
十分に成長した幼虫は、やがて蛹になります。蛹の期間を経て、羽を持つ成虫へと姿を変えます。成虫は、約1週間という短い間に、数百個もの卵を葉の裏に産み付けます。卵は、数十個単位で塊状に産み付けられ、さらに、雌の成虫は、卵塊を白い鱗毛で覆って保護します。そのため、葉の裏に、まるで白い綿毛が付着しているように見えます。この白い綿毛状のものは、アメリカシロヒトリの卵塊である可能性が高いと言えるでしょう。
ステージ | 時期 | 行動 | 特徴 |
---|---|---|---|
卵 | 冬 | 木の枝や枯れ葉の下で過ごす | – |
幼虫 | 春~夏 (6月、8月頃) | 集団で葉を旺盛に食べる | – |
蛹 | – | – | – |
成虫 | – | 約1週間で数百個の卵を産む | 卵塊を白い鱗毛で覆う |
駆除
– 駆除
アメリカシロヒトリの駆除は、早期発見、早期対策が肝心です。幼虫はまだ小さく、糸を吐いて作った巣も小さいうちに駆除するのが効果的です。
庭木にアメリカシロヒトリの幼虫を見つけたら、まず巣の大きさを確認しましょう。もし巣が小さく、枝葉の一部に留まっているようであれば、その枝ごと切り取って処分します。 この時、切り落とした枝葉を放置するとそこから再び繁殖してしまう可能性があるので、必ずビニール袋などに入れて密封してから、燃えるゴミとして捨てましょう。
しかし、既に巣が大きくなってしまっていたり、高い場所にあったりして、自分で駆除するのが難しい場合は、無理をせず専門の業者に依頼することも検討しましょう。
殺虫剤を使うのも有効な手段です。アメリカシロヒトリの幼虫に直接散布して駆除する接触剤と、葉に散布しておき、それを食べた幼虫を駆除する浸透移行性剤があります。 薬剤を選ぶ際には、それぞれの効果や使用方法をよく確認し、適切なものを選びましょう。
殺虫剤は、アメリカシロヒトリの駆除に効果的ですが、周囲の環境や人体への影響も考慮する必要があります。 使用する際は、説明書をよく読み、用法・用量を守って使用してください。 また、周囲に飛散しないよう、風向きや周辺環境にも注意が必要です。
殺虫剤だけに頼らず、アメリカシロヒトリの天敵である寄生蜂や鳥類を保護することも、アメリカシロヒトリの発生を抑える上で重要です。 例えば、鳥の巣箱を設置したり、蜜源植物を植えることで、彼らを庭に呼び込むことができます。
これらの駆除方法を組み合わせることで、より効果的にアメリカシロヒトリの発生を抑え、大切な庭木を守ることができます。
駆除方法 | 詳細 | 注意点 |
---|---|---|
枝ごと切除 | 巣が小さく、枝葉の一部に留まっている場合、枝ごと切り取って処分する。 | 切り落とした枝葉を放置すると繁殖の可能性があるので、密封して燃えるゴミへ。 |
専門業者依頼 | 巣が大きくなってしまっていたり、高い場所にあるなど、自分で駆除が難しい場合に検討する。 | – |
殺虫剤 | 幼虫に直接散布する接触剤と、葉に散布し食べた幼虫を駆除する浸透移行性剤がある。 | 効果や使用方法をよく確認し、適切なものを選ぶ。説明書をよく読み、用法・用量を守って使用する。周囲に飛散しないよう、風向きや周辺環境に注意する。 |
天敵保護 | 寄生蜂や鳥類を保護する。 | 鳥の巣箱を設置したり、蜜源植物を植える。 |