植物をもっと深く知る:『属』ってなに?
植物をもっと深く知る:『属』ってなに?
ガーデニング勉強中
先生、「属」ってどういう意味ですか?ガーデニングの本によく出てくるんですけど、よくわからなくて。
ガーデニング専門家
「属」は生き物を分類する時のグループのひとつだよ。例えば、犬や狼は「イヌ属」に、猫は「ネコ属」に属しているんだ。同じ「属」の生き物は、共通の特徴を持っていることが多いんだよ。
ガーデニング勉強中
なるほど!じゃあ、ガーデニングで「属」を知ることは、植物の特徴を知る上で役に立つんですね?
ガーデニング専門家
その通り!同じ「属」の植物は育て方が似ていることが多いから、ガーデニングをする上ではとても大切な情報なんだよ。
属とは。
「属」という言葉は、庭いじりの世界でも使われますが、元々は生き物を仲間分けするときに使われる言葉です。1700年代の半ばに、スウェーデンの学者リンネさんが考えた、生き物を仲間分けする方法があります。この方法では、生き物をグループに分けて、グループの上にさらに大きなグループを作るというように、段階的に分けていきます。「属」は、その分類の中にある段階の一つで、「種」という小さなグループの上にあり、「科」という大きなグループの下に位置します。順番で言うと、「門」-「綱」-「目」-「科」-「属」-「種」となります。
植物分類の階段
ガーデニングをより深く楽しむには、植物に対する理解を深めることが重要です。植物の世界は、人間が理解しやすくするために、いくつかのグループに分類されています。これは、まるで図書館で本を著者やジャンルごとに整理するようなものです。この分類方法を理解することで、植物の特徴や関連性をより深く理解することができます。
植物は、まず大きく「界」に分けられます。私たちが普段目にする植物のほとんどは「植物界」に属します。さらに植物界は、種子を作るかどうか、維管束の有無など、植物の進化に基づいた共通の特徴をもとに、いくつかの「門」に分類されます。
私たちにとって身近な「門」には、コケ植物門、シダ植物門、裸子植物門、被子植物門などがあります。コケ植物は、湿った場所に生息する比較的小さな植物です。シダ植物は、葉の裏などに胞子を作ることで繁殖します。裸子植物は、種子を作るものの、果の中に種子を持たない植物で、マツやソテツなどが含まれます。被子植物は、花を咲かせ、果実の中に種子を作る植物で、私たちが普段目にする植物の多くがこの仲間です。
このように、植物は段階的に細かく分類されていきます。この分類の階段を上っていくごとに、植物の共通点は多くなり、より近縁な関係にあることがわかります。植物分類の知識は、植物を選ぶ際に役立つだけでなく、植物の世界をより深く理解する面白さを教えてくれます。
界 | 門 | 特徴 | 例 |
---|---|---|---|
植物界 | コケ植物門 | 湿った場所に生息、比較的小さい | |
シダ植物門 | 葉の裏などに胞子を作る | ||
裸子植物門 | 種子を作るが、果実の中に種子を持たない | マツ, ソテツ | |
被子植物門 | 花を咲かせ、果実の中に種子を作る | 多くの植物 |
「属」はどんなグループ?
植物の世界は、多種多様な植物たちで溢れています。その膨大な数の植物を整理し、理解するために、私たちは「分類」という作業を行います。植物の分類には、「界・門・綱・目・科・属・種」といった階層構造が使われます。この階層は、上位になるほど共通の特徴が少なくなり、広い範囲の植物をまとめたグループになり、下位になるほど共通の特徴が多くなり、狭い範囲の植物をまとめたグループになります。
「属」は、この階層の中で「科」の下に位置し、「種」をまとめたグループです。私たちが普段「バラ」と呼んでいる花を例に考えてみましょう。「バラ」は、実は「属」の名前です。「バラ」という大きなグループの中に、「ノイバラ」や「ハマナス」、「ミニバラ」など、様々な種類のバラが存在します。これらのバラは、花びらの形や香り、棘の有無など、いくつかの共通点を持っています。この共通点こそが、「属」でまとめられる理由です。つまり、「属」とは、共通の特徴を持った「種」をまとめたグループと言えるでしょう。
「種」の下には、「亜種」や「変種」、「品種」といった、さらに細かい分類が存在します。植物の世界は奥深く、分類を学ぶことで、その多様性と進化の歴史を垣間見ることができます。
階層 | 説明 | 例 |
---|---|---|
界 | 生物全体を大きく分類する最も上位の階層 | 植物界 |
門 | 界の下の階層。共通の特徴によって、いくつかの門に分けられます。 | 被子植物門 |
綱 | 門の下の階層。さらに共通の特徴によって細分化されます。 | 双子葉綱 |
目 | 綱の下の階層。共通の特徴がさらに細分化されます。 | バラ目 |
科 | 目の下の階層。共通の特徴がより明確になります。 | バラ科 |
属 | 科の下の階層。共通の特徴を持った種をまとめたグループ | バラ属 |
種 | 生物の分類における基本単位。共通の特徴を持ち、互いに交配して子孫を残せるグループ。 | ノイバラ、ハマナス、ミニバラ |
「属」を知るメリット
– 「属」を知るメリット植物には、人間でいう名字と名前のように、分類するための名前がつけられています。この分類で、「科」という大きなグループの中に、いくつかの「属」というグループがあり、さらに「属」の中に「種」という細かいグループが存在します。
「属」が分かると、その植物が、どのような性質を持っているのか、ある程度予測することができます。 例えば、「バラ属」の植物であれば、美しい花を咲かせるものが多く、棘を持つものが一般的です。また、「ユリ属」であれば、多くの種類が球根を持ち、香りが強いという特徴があります。
ガーデニングを楽しむ上で、土壌の質や日当たり具合など、その植物に合った環境を選んであげることが非常に重要です。「属」を知ることで、植物のおおよその性質を掴むことができ、育てる環境の目安や、水やりの頻度、肥料の選び方など、育てる上でのコツを掴むことにつながります。
さらに、「属」を意識することで、病気や害虫への対策もしやすくなります。同じ「属」の植物は、かかりやすい病気や、寄り付きやすい害虫も似ていることが多いからです。そのため、あらかじめ「属」の特徴と、その「属」が持つ弱点を知っておくことで、病気や害虫の発生を未然に防いだり、早期に対処したりすることが可能になります。
このように、「属」を知ることは、ガーデニングをより深く楽しむための第一歩と言えるでしょう。
植物の分類 | 「属」を知るメリット | 具体的な例 |
---|---|---|
科>属>種 | 植物の性質を予測できる
|
|
同じ「属」の植物は共通点が多い | 病気や害虫への対策を立てやすい
|
図鑑で確認してみよう
散歩の途中で見かけた花や、大切に育てている観葉植物。名前が分からず、何と呼べば良いか迷ってしまうことはありませんか?そんな時は、植物図鑑を開いてみましょう。
植物図鑑には、植物の特徴や育て方など、様々な情報が掲載されています。中でも注目したいのが、「属名」と「種名」です。多くの図鑑では、植物の名前を「属名」と「種名」で表記しています。例えば、「ヒマワリ」の場合、「ヒマワリ属ヒマワリ種」といった具合です。
「種」とは、生物を分類する際の基本的な単位で、同じ特徴を持つ仲間のことを指します。そして、「属」は、いくつか似た「種」を集めた、より大きな分類単位です。つまり、「属名」を見ることで、その植物が、どんな仲間と似た特徴を持っているのかを知ることができるのです。
例えば、「バラ」を調べてみましょう。バラは「バラ属」に属する植物です。図鑑で「バラ属」を調べてみると、「イチゴ」や「サクラ」なども同じ「バラ属」に属していることが分かります。一見全く異なる植物に見えますが、「バラ属」の植物は、5枚の花びらを持つという共通点を持っています。このように、「属」に注目することで、植物同士の意外なつながりが見えてくることがあります。
図鑑を手に取って植物の名前を調べるだけでなく、「属名」にも目を向けてみましょう。植物の世界の奥深さ、面白さを、より一層感じることができるはずです。
項目 | 説明 |
---|---|
種 | 生物を分類する際の基本的な単位。同じ特徴を持つ仲間。 |
属 | いくつか似た「種」を集めた、より大きな分類単位。 |
例:ヒマワリ | ヒマワリ属ヒマワリ種 |
例:バラ | バラ属。イチゴ、サクラなども同じバラ属に属し、5枚の花びらを持つという共通点を持つ。 |