トマト栽培の悩み「尻腐れ症」を解決!

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トマト栽培の悩み「尻腐れ症」を解決!

ガーデニング勉強中

先生、「尻腐れ病」って、トマトのお尻が腐っちゃう病気ですよね? 何だか、怖い名前の病気だなと思うのですが…

ガーデニング専門家

確かに、名前だけ聞くとびっくりするよね。でも、尻腐れ病は細菌やウイルスといった病原菌によって起こる病気ではないんだよ。

ガーデニング勉強中

え? 病気なのに、病原菌が原因ではないんですか?

ガーデニング専門家

そうなんだ。尻腐れ病は、土の中の水分が不足したり、カルシウムが足りなくなったりすることで、トマトの実の先端部分の細胞がうまく育たずに、黒くくぼんでしまう生理障害なんだよ。

尻腐病とは。

「尻腐れ病」は、トマトを育てている人がよく耳にする言葉です。これは、トマトの実のお尻の方、ヘタと反対側の部分が黒くへこんでしまう病気のことです。この病気にかかると、トマトは売り物にならなくなってしまいます。原因は、カビや細菌などの病原菌ではなく、土が乾きすぎたりして石灰が足りなくなることです。つまり、尻腐れ病は、トマトの体の調子が悪くなって起こる病気と言えます。

尻腐れ症とは?

尻腐れ症とは?

– 尻腐れ症とは?尻腐れ症は、トマトの実の先端に発生する生理障害です。収穫直前まで元気そうに育っていたトマトが、気が付くと実の先端部分が黒く変色し、腐敗が始まっていることがあります。これが尻腐れ症です。尻腐れ症は、初期症状では、実の先端に小さな水っぽい斑点が現れます。これはまだほんの小さな点で、収穫したトマトをよく見ないと気づかないこともあります。しかし、この小さな斑点を放っておくと、徐々に拡大し、色は茶色から黒色へと変化していきます。それと同時に、斑点の部分はくぼんでいき、次第に硬くなっていきます。最終的には、腐敗が果実全体に広がり、食用として販売できなくなってしまうこともあります。尻腐れ症は、病気ではなく、カルシウム不足によって引き起こされます。カルシウムは、植物の細胞壁を強くする役割を担っています。トマトの実が大きく成長する時期に、土壌中の水分が不足したり、吸収がうまくいかないと、カルシウムが実の先端まで十分に行き届かなくなり、尻腐れ症が発生しやすくなります。尻腐れ症は、一度発生してしまうと、その実を治すことはできません。しかし、適切な対策を講じることで、発生を防ぐことは可能です。

段階 症状 原因
初期 実の先端に小さな水っぽい斑点 カルシウム不足
(土壌中の水分不足、吸収不良)
進行時 斑点が拡大し、茶色から黒色へ変化
斑点の部分がくぼんでいき、硬くなる
末期 腐敗が果実全体に広がる

原因はカルシウム不足

原因はカルシウム不足

トマト栽培で頭を悩ませる人が多い「尻腐れ症」。その主な原因は、トマトの果実に必要なカルシウムが不足してしまうことにあります。カルシウムは、植物の細胞壁を丈夫に保つために欠かせない栄養素です。しかし、土壌中にカルシウムが十分に含まれていなかったり、乾燥や水分が多すぎるなどの環境によって根がカルシウムをうまく吸収できない状態になると、果実までカルシウムが行き渡らなくなり、尻腐れ症が発生しやすくなります。
まるで私たち人間がカルシウム不足で骨粗鬆症になってしまうように、トマトにとってもカルシウムは健康な成長に必要不可欠なのです。

項目 内容
症状名 尻腐れ症
原因 カルシウム不足
カルシウムの役割 植物の細胞壁を丈夫にする
尻腐れ症発生のメカニズム 土壌中のカルシウム不足、根の吸収不良などにより、果実にカルシウムが行き渡らなくなるため

水やりは適切に

水やりは適切に

水やりは適切に

トマトは、乾燥を嫌う野菜です。土が乾いた状態が続くと、生育不良や枯れの原因になるため、水切れを起こさないようにこまめな水やりが大切です。
しかし、だからといって水をやりすぎると、今度は土の中に水が溜まりすぎて、根が酸素を十分に吸収できなくなってしまいます。このような状態を過湿状態といい、トマトの根を弱らせ、生育を阻害する原因となります。また、過湿状態になると、土の中のカルシウムが水に溶けにくくなり、トマトがカルシウム不足に陥りやすくなります。カルシウムは、トマトの実の成長に欠かせない栄養素であるため、不足すると「尻腐れ症」という症状を引き起こし、品質や収量が低下する原因になります。
適切な水やりの目安は、土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えることです。水やりの時間帯は、気温の低い朝方がおすすめです。気温の高い昼間に水やりをすると、土の温度が急激に上昇し、根を傷める原因になります。また、夕方以降の水やりは、湿度が高くなり、病害の発生リスクが高まるため避けてください。
梅雨時期など、長雨が続く時期は、雨の当たらない場所にプランターを移動させるなどして、土が過湿状態にならないように注意しましょう。プランターの土は、水はけが良いものを選び、鉢底に軽石などを敷き詰めておくことも効果的です。

水やりの目安 水やりの時間帯 注意点
土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与える 気温の低い朝方がおすすめ
  • 気温の高い昼間の水やりは根を傷めるため避ける
  • 夕方以降の水やりは病害のリスクが高まるため避ける
  • 梅雨時期など、長雨が続く時期は、雨の当たらない場所にプランターを移動させる
  • プランターの土は、水はけが良いものを選び、鉢底に軽石などを敷き詰めておく

カルシウムの補給も効果的

カルシウムの補給も効果的

– カルシウムの補給も効果的

植物が健康に育つためには、さまざまな栄養素が必要です。その中でもカルシウムは、細胞壁を強く保つために欠かせない栄養素です。カルシウムが不足すると、実の先端が黒く変色したり、腐敗したりする「尻腐れ症」という症状が現れることがあります。

尻腐れ症は、トマトやナス、ピーマンなどの果菜類で多く見られます。これらの野菜は、生育期に多くのカルシウムを必要とするため、土壌中のカルシウムが不足すると、尻腐れ症を起こしやすくなります。

尻腐れ症を予防するには、土壌にカルシウムを補給することが効果的です。カルシウムを含む肥料には、消石灰や苦土石灰などがあります。これらの肥料を、植え付け前に土壌に混ぜ込んでおくことで、植物がカルシウムを吸収しやすくなります。

また、卵の殻や貝殻も、カルシウムを豊富に含んでいます。これらのものを細かく砕いて土に混ぜるのも、カルシウム補給に効果的です。ただし、卵の殻や貝殻は分解されるまでに時間がかかるため、効果が現れるまでに時間がかかることを覚えておきましょう。

カルシウムは植物の生育に欠かせない栄養素ですが、一度に大量に与えすぎると、他の栄養素の吸収を阻害する可能性があります。そのため、カルシウム肥料を与える場合でも、必ず袋に記載されている使用量を守り、適量を心がけるようにしましょう。

症状 原因 対策 備考
尻腐れ症
(実の先端が黒く変色、腐敗)
カルシウム不足。トマト、ナス、ピーマンなどの果菜類で発生しやすい。 ・植え付け前に消石灰や苦土石灰などのカルシウムを含む肥料を混ぜる。
・卵の殻や貝殻を細かく砕いて土に混ぜる。
卵の殻や貝殻は分解に時間がかかるため効果が現れるのが遅い。

日当たりと風通しを良くする

日当たりと風通しを良くする

トマトを元気に育てるためには、太陽の光と風の通り道を意識することがとても大切です。
トマトは太陽が大好きな野菜です。太陽の光をたくさん浴びることで、光合成を活発に行い、栄養をたっぷり蓄えます。
しかし、日当たりの悪い場所に植えてしまうと、光合成がうまくいかず、生育が悪くなってしまいます。
茎がひょろひょろと伸びてしまったり、実つきが悪くなったり、最悪の場合、病気にかかりやすくなってしまうこともあります。
特に注意が必要なのが、土の水分が多すぎる状態が続く「尻腐れ症」という病気です。

また、風通しが悪い場所もトマト栽培には適していません。
風通しが悪いと、湿気がこもりやすく、病気や害虫が発生しやすくなります。
じめじめとした環境は、カビの仲間である病原菌や、小さな虫たちが好む環境です。

トマトを植える際には、1日に少なくとも6時間以上は日光が当たる場所を選びましょう。
そして、周囲に建物や塀などがある場合は、風通しが悪くならないように、株と株の間隔を十分に空けて植えることが重要です。
トマトが元気に育つように、日当たりと風通しの良い環境を整えてあげましょう。

要素 重要性 具体的な対策
日当たり
  • 光合成による栄養生成
  • 生育不良防止
  • 病気予防(特に尻腐れ症)
1日に6時間以上日光が当たる場所を選ぶ
風通し
  • 湿気抑制
  • 病気・害虫発生予防
株間を十分に空ける

まとめ

まとめ

トマト栽培において、尻腐れ症の予防は美味しい実を収穫するために非常に大切です。尻腐れ症は、適切な水管理、カルシウム補給、そして日当たりと風通しの良い環境を作ることで予防することができます。

まず、水管理は非常に重要です。土壌水分が極端に不足したり、逆に過湿状態が続くと、トマトは水をうまく吸収することができなくなり、尻腐れ症のリスクが高まります。土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをし、水はけのよい状態を保つように心がけましょう。

次に、カルシウムはトマトの細胞壁を強く保つために必要な栄養素です。カルシウムが不足すると、細胞壁が弱くなり、尻腐れ症が発生しやすくなります。

定期的にカルシウムを含む肥料を施すか、卵の殻を細かく砕いて土に混ぜ込むなどの方法で、土壌にカルシウムを補給しましょう。

さらに、トマトは日当たりと風通しの良い環境を好みます。日当たりが悪いと、光合成が不足し、トマトの生育が弱り、尻腐れ症のリスクが高まります。また、風通しが悪いと、湿度が高くなり、病害虫の発生を招きやすくなります。トマトを植える際は、日当たりと風通しの良い場所を選び、株間を適切に保つようにしましょう。

これらのポイントを踏まえ、日頃からトマトの生育状態をよく観察し、早期発見・早期対応に努めることが、美味しいトマトを収穫するための鍵となります。

項目 対策
水管理 土壌水分が極端に不足したり、過湿状態が続くと、尻腐れ症のリスクが高まるため、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをし、水はけのよい状態を保つ。
カルシウム補給 カルシウムはトマトの細胞壁を強く保つために必要な栄養素であるため、定期的にカルシウムを含む肥料を施すか、卵の殻を細かく砕いて土に混ぜ込むなどの方法で、土壌にカルシウムを補給する。
日当たりと風通し 日当たりが悪いと、光合成が不足し、トマトの生育が弱り、尻腐れ症のリスクが高まる。また、風通しが悪いと、湿度が高くなり、病害虫の発生を招きやすくなるため、トマトを植える際は、日当たりと風通しの良い場所を選び、株間を適切に保つ。
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