植物の呼吸を助ける気孔

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植物の呼吸を助ける気孔

ガーデニング勉強中

先生、「気孔」って、植物の葉っぱにある小さな穴のことですよね?

ガーデニング専門家

そうだね。「気孔」は、主に葉の裏側にたくさんある小さな穴のことだよ。では、気孔は植物にとってどんな役割を持っているのかな?

ガーデニング勉強中

ええと、植物は気孔から二酸化炭素を取り込んで、光合成をしているんですよね?

ガーデニング専門家

その通り! 光合成に使う二酸化炭素を取り込むだけでなく、余分な水分を水蒸気として放出する働きもあるよ。気孔は植物にとって、とても重要な役割を担っているんだね。

気孔とは。

「気孔」って言葉は、庭いじりをする人なら知っておきたい言葉の一つだね。これは、陸の上で育つ植物の表面にある、小さな穴のことなんだ。例えるなら、植物の皮膚にある呼吸口みたいなものかな。この穴は、空気や水蒸気が通る道になっているんだよ。 小さな穴の周りには、「孔辺細胞」って呼ばれる、2つの細胞が門番みたいに存在しているんだ。この細胞が形を変えることで、まるで門を開け閉めするように、穴の大きさを調整しているんだよ。植物はこの気孔を通して、光合成に必要な二酸化炭素を取り込んだり、余分な水分を蒸散したりして、体の状態をちょうど良く保っているんだね。

植物の表面にある小さな穴

植物の表面にある小さな穴

道端で咲く花や、公園の木々など、私たちの周りにはたくさんの植物が生えています。普段何気なく目にしている植物ですが、よく観察してみると、葉の裏側を中心に、肉眼ではほとんどわからないほどの小さな穴が無数に開いていることに気が付くかもしれません。この小さな穴は「気孔」と呼ばれ、植物が生きていく上で欠かせない重要な役割を担っています。

気孔は、植物が呼吸をするための空気の出入り口としての役割を担っています。私たち人間が口や鼻から空気を取り込むように、植物も気孔を通して空気中の二酸化炭素を取り込み、光合成を行います。そして、光合成によって作られた酸素を気孔から排出しています。まるで植物の呼吸口のように、気孔は外部と内部を繋ぐ大切な通路となっているのです。

また、気孔は植物内の水分量を調節する役割も担っています。植物は、根から水を吸収しますが、吸収した水はすべて利用されるわけではありません。余分な水分は、気孔を通して水蒸気として空気中に排出されます。この働きによって、植物は常に適切な水分量を保つことができるのです。

このように、小さく目立たない気孔ですが、植物が生きていく上で欠かせない重要な役割を担っています。植物を観察する際には、葉の裏側もじっくりと見てみてください。そこには、植物の生きるための驚くべき仕組みが隠されているかもしれません。

気孔の役割 詳細
呼吸 – 植物は気孔を通して空気中の二酸化炭素を取り込み、光合成を行う。
– 光合成によって作られた酸素を気孔から排出する。
水分量の調節 – 根から吸収した余分な水分を、気孔を通して水蒸気として空気中に排出する。

気孔の開閉メカニズム

気孔の開閉メカニズム

植物は、葉の表面にある小さな穴である気孔を通じて、光合成に必要な二酸化炭素を取り入れたり、酸素を排出したりしています。また、気孔は余分な水分を水蒸気として排出する働きも担っています。この気孔の開閉を調節しているのが、気孔を取り囲む一対の細胞である孔辺細胞です。

孔辺細胞は、まるで唇のように向き合っており、細胞内の水分の量を変化させることで、気孔を開いたり閉じたりするという、巧妙な仕組みを持っています。

太陽の光が当たると、植物は光合成を活発に行います。この時、孔辺細胞は周囲の細胞から水を取り込みます。すると、孔辺細胞は風船のように膨らみ、細胞壁の薄い外側が大きく湾曲するため、中央部に隙間が生じます。これが気孔が開いた状態です。そして、気孔が開くと、植物は二酸化炭素を吸収しやすくなり、光合成が促進されます。

反対に、水不足や夜間など、光合成を行わない時は、孔辺細胞内の水分は減少し、細胞はしぼんでいきます。すると、細胞壁の厚い内側が互いにくっつき、気孔は閉鎖されます。これにより、植物は体内の水分を保つことができるのです。

このように、植物は孔辺細胞の働きによって、周囲の環境に応じて気孔を開閉し、生命活動に必要なガス交換や水分の調節を行っているのです。

状態 孔辺細胞の状態 気孔の状態 植物の活動
太陽光あり 周囲の細胞から水を取り込み、膨張する。細胞壁の薄い外側が大きく湾曲する。 開く 二酸化炭素を吸収し、光合成を行う。
水不足、夜間 水分が減少し、しぼむ。細胞壁の厚い内側がくっつく。 閉じる 体内の水分を保つ。

光合成に欠かせない二酸化炭素の取り込み口

光合成に欠かせない二酸化炭素の取り込み口

植物は、太陽の光を浴びて自ら栄養を作り出す、光合成という素晴らしい能力を持っています。この光合成に欠かせないのが、空気中に含まれる二酸化炭素です。植物は、葉の裏側にある小さな穴、「気孔」を通して、空気中から二酸化炭素を取り込んでいます。

太陽の光がさんさんと降り注ぐ日中には、気孔は大きく開いています。まるで、深呼吸をするかのように、空気中からたくさんの二酸化炭素を吸い込み、光合成を盛んに行っているのです。そして、光合成によって作られたデンプンは、植物の体を作る栄養になったり、成長のためのエネルギー源として使われたりします。まるで、太陽の光をエネルギーに変換して蓄えているかのようです。

つまり、気孔は、植物が生きていくために必要なエネルギーを作り出すための、最初の入り口と言えるでしょう。私たち人間が、食事を通して栄養を摂取するように、植物は気孔を通して、光合成に必要な二酸化炭素を取り込んでいるのです。小さな気孔は、植物が力強く生きていくための、重要な役割を担っているのです。

植物の器官 役割
気孔 葉の裏側にある小さな穴。
空気中から二酸化炭素を取り込む。
太陽光 光合成のエネルギー源。
二酸化炭素 光合成の材料。
デンプン 光合成によって作られる。
植物の栄養やエネルギー源となる。

蒸散による植物体の水分調整

蒸散による植物体の水分調整

植物は、根から水分を吸収し、それを葉から蒸発させることで、体内を常に新鮮な水で満たし、健やかに生育しています。葉の表面には、気孔と呼ばれる小さな孔が無数に開いており、水蒸気や酸素、二酸化炭素などの出入り口となっています。
植物は、光合成に必要な二酸化炭素を気孔から吸収しますが、それと同時に、体内から水蒸気を放出しています。この現象を蒸散と呼びます。蒸散は、植物にとって重要な働きをしています。
まず、蒸散は、根から水を吸い上げる原動力となっています。例えるなら、ストローで水を飲むときと同じ原理です。ストローで水を吸い上げ続けると、コップの水が減っていくように、植物も、葉から水を蒸散させることで、根から水を吸い上げ続けることができるのです。
また、蒸散には、植物の体温を調節する役割もあります。人間が暑い日に汗をかいて体温を調節するように、植物も、蒸散によって体温を一定に保っています。
このように、蒸散は、植物の生育にとって欠かせない役割を担っているのです。

現象 内容 役割1 役割2
蒸散 植物の気孔から水蒸気が放出される現象 根から水を吸い上げる原動力となる 植物の体温を調節する

気孔の働きと植物の生育

気孔の働きと植物の生育

植物の葉の裏側には、気孔と呼ばれる小さな穴が無数に存在しています。肉眼では見えませんが、この小さな穴が植物の生育に大きな役割を果たしていることをご存知でしょうか。

気孔は、人間で例えると口や鼻のような役割を担っています。植物は気孔を通して、光合成に必要な二酸化炭素を空気中から取り込みます。同時に、気孔は余分な水分を水蒸気として排出する働きも持っています。植物は土壌から水分を吸収しますが、そのすべてが成長のために使われるわけではありません。気孔から水分を排出することで、植物は体内を一定の水分量に保ち、また、土壌から根を通して水を吸い上げる力を生み出しているのです。

気孔が活発に働くことで、植物は元気に育ちます。光合成が促進され、太陽の光を浴びて栄養をたくさん作ることができます。そして、たくさんの花を咲かせ、おいしい実を実らせることができるのです。反対に、気孔の働きが弱ってしまうと、植物は元気をなくしてしまいます。十分な二酸化炭素を取り込めず、光合成も進みません。また、体内の水分量のバランスが崩れ、根から水を吸い上げる力も弱まってしまうため、しおれたり、枯れてしまうこともあります。

普段何気なく目にしている植物ですが、その健やかな成長の裏側には、目には見えない小さな気孔の活躍があることを忘れてはなりません。

気孔の働き 植物への影響
二酸化炭素を吸収 光合成を促進し、栄養を生成、花や実をつける
余分な水分を水蒸気として排出
  • 植物の体内を一定の水分量に保つ
  • 土壌から根を通して水を吸い上げる力を生み出す
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