苗をすくすく育てる「ずらし」の技術
- 「ずらし」とは?
畑に苗を植えるとき、皆さんはどのようにしていますか? 大切に育てた苗を、苗床からそっと掘り起こして、新しい土に植えているのではないでしょうか? 実は、苗を大きく育てるために、少し変わった方法があるのです。それが、今回ご紹介する「ずらし」というテクニックです。
「ずらし」とは、苗を植え替える際に、土から掘り上げずに、苗床の中で少しずつ場所を移動させていく方法です。まるで、引っ越しをする前に、新しい住居の近くに仮住まいをして、環境に少しずつ慣れていくように、苗も「ずらし」によって、新しい環境に順応していくことができるのです。
では、なぜ「ずらし」が苗の生育に良いのでしょうか? 苗を土から掘り起こす時、私たちはどれだけ注意深く作業しても、少なからず根を傷つけてしまいます。しかし、「ずらし」なら、根へのダメージを最小限に抑えられます。その結果、苗は植え替え後も、ぐんぐんと根を張り、元気に育つことができるのです。
「ずらし」は、少し変わったテクニックに思えるかもしれません。しかし、苗への負担を減らし、生育をスムーズにする効果が期待できる、とても理にかなった方法なのです。