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ダイコンの選び方:吸込性って?
- 吸込性とは?大根や人参、ごぼうといった根菜類を育てる上で、「吸込性」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。 これは、土壌と植物の不思議な関係を表す、重要な性質の一つです。吸込性とは、ずばり根菜類の根と葉の境目、一般的に「肩」と呼ばれる部分が、土の中にどれほど埋まりやすいかを示す性質を指します。大根を例に取ると、吸込性の強い品種は、成長するにつれて肩まで土の中に潜り込むように育ちます。反対に、吸込性の弱い品種は、肩が土の上に出てしまい、緑色に変色してしまうことがあります。この吸込性の強弱は、品種によって大きく異なり、同じ大根でも、土深く潜るものもあれば、そうでないものも現れます。吸込性が強い品種は、土の中でしっかりと根を張り、養分を吸収できるため、一般的に品質の良い根菜類に育つと言われています。土壌の性質も、吸込性に影響を与える要因の一つです。例えば、粘土質で固く締まった土壌では、根菜類は深く潜りにくいため、吸込性が弱くなる傾向があります。逆に、柔らかく通気性の良い土壌では、根菜類はスムーズに土中へ成長できるため、吸込性が強くなる傾向があります。美味しい根菜類を育てるためには、品種の吸込性と土壌の性質をよく理解し、最適な環境で栽培することが大切です。 -
大根の岐根を防いで立派な根菜を育てよう!
- 岐根とは?私たちが普段食べている大根や人参などの根菜類。土の下では、植物を支え、水分や栄養を吸収するために根をしっかりと張っています。これらの野菜は、特に根の部分を食べるため、まっすぐと太く育つことが求められます。しかし、畑では時折、根が分かれてまるで二股に分かれたような、あるいは複数の足が生えたような奇妙な形の根っこを見かけることがあります。これが「岐根」と呼ばれる現象です。岐根は、本来はまっすぐに伸びるはずの根が、成長の過程で何らかの原因によって分岐してしまう現象を指します。根の先端部分には、根の成長を司る「成長点」と呼ばれる重要な部分が存在します。この成長点が、土壌中の石や硬い土塊に当たったり、害虫によって傷つけられたりすると、根の成長方向が乱されてしまいます。その結果、本来は成長点から伸びるはずの本根の成長が阻害され、代わりに側根と呼ばれる細い根が複数発生し、肥大してしまうのです。岐根は、根菜類の見た目を損ねるだけでなく、根の成長を阻害するため、収穫量の減少に繋がる可能性も孕んでいます。美味しい野菜を育てるためには、土壌の状態を良く耕し、石や土塊を取り除くなど、根が健全に成長できる環境を整えてあげることが大切です。 -
ダイコン栽培の大敵!バーティシリウム黒点病対策
- はじめにと家庭菜園でも人気の高いダイコンは、比較的手間をかけずに育てることができます。しかし、育てているうちに葉に黒い斑点ができたり、根が変形したりする症状が見られることがあります。これは病気のサインかもしれません。せっかく育てても、病気によって収穫量が減ってしまったり、品質が落ちてしまうことがあります。病気からダイコンを守るためには、病気の発生原因や予防法などを知っておくことが大切です。今回は、ダイコン栽培において注意が必要な病気の一つ、「バーティシリウム黒点病」について解説していきます。 -
根菜類の生育障害「裂根」を防ぐ!
- 裂根とは?裂根とは、ダイコン、カブ、ニンジンなどの根菜類で発生する生育障害の一つです。文字通り、根が割れたり、ひびが入ったりする現象を指し、品質の低下や収穫量の減少に繋がります。この現象が起こると、見た目が悪くなるため、当然ながら市場価値は下がってしまいます。しかし、問題はそれだけではありません。裂け目から病原菌が侵入しやすくなるため、病気のリスクも高まってしまうのです。では、なぜ根は割れてしまうのでしょうか?主な原因は、生育期間中の急激な水分条件の変化です。乾燥した日が続いて土壌の水分が少なくなった後、まとまった雨が降ったり、大量に水やりをしたりすると、根は一気に水分を吸収しようとします。すると、根の内部組織が急激に膨張し、外側の組織が耐え切れずにひび割れを起こしてしまうのです。土壌の状態も大きく影響します。粘土質の土壌で育てている場合、土壌が固くなりやすく、根の成長を阻害することがあります。その結果、根が土壌の圧力に耐え切れずに、裂けてしまうことがあります。裂根を防ぐためには、日頃から土壌の水分量を適切に保ち、急激な変化を与えないことが重要です。水はけのよい土作りを心掛け、乾燥しやすい場合は、敷き藁やマルチングで土壌の乾燥を防ぎましょう。また、肥料は適切な量と時期を守り、過剰な施肥は避けるようにしてください。 -
ダイコン栽培のポイント:抽根を防ぐには?
- 抽根とは?根菜類を育てていると、土の中に埋まっているはずの根の一部が、土から飛び出してしまっていることがあります。この現象を「抽根」と呼びます。大根や人参、ごぼうなど、土の中で根を太らせていくタイプの野菜でよく見られます。抽根は、そのままにしておくと、野菜の品質や収穫量に悪影響を及ぼす可能性があります。抽根が起こると、露出した根の部分は日光に当たり、緑色に変色してしまいます。これは、植物が光合成を行うために必要な葉緑素が、日光の影響を受けて作られるためです。緑色に変色した部分は、硬くなってしまい、食味が悪くなってしまいます。また、根が土の外に出ているということは、それだけ乾燥しやすくなるということです。乾燥によって根の成長が阻害され、収穫量が減ってしまうこともあります。さらに、抽根は、病害虫のリスクを高めることにも繋がります。土から出ている根は、病原菌や害虫に侵入されやすくなります。すると、そこから病気になってしまったり、虫に食害されたりしやすくなってしまいます。抽根の原因は、土の性質や栽培方法、そして品種など、様々な要因が考えられます。例えば、土が固く浅い場合は、根が土の中へ十分に伸びることができず、地上に飛び出してしまいます。また、種まきが遅れた場合や、肥料が不足している場合も、抽根が起こりやすくなります。さらに、品種によっては、抽根しやすいものと、しにくいものがあります。抽根を予防するためには、土づくりや種まきの時期、追肥の量など、栽培方法に気を配ることが大切です。また、抽根しにくい品種を選ぶことも有効な手段です。もし、栽培中に抽根を見つけた場合は、早めに土寄せをすることで、被害を最小限に抑えることができます。 -
春まきのコツ!種子の種類を知って計画的な栽培を
植物の世界では、種から芽が出て花を咲かせるまでの過程は、種それぞれに異なる不思議な物語を秘めています。種子が発芽するためには、適切な水分、温度、そして酸素が必要ですが、さらに複雑な条件を必要とするものもあります。その一つに、「バーナリゼーション」と呼ばれる現象があります。 バーナリゼーションとは、種子が一定期間低温にさらされることで、発芽や開花が促進される現象を指します。冬の寒さを経験することで、春になって温かくなると花を咲かせる植物をよく見かけますが、これはバーナリゼーションの典型的な例です。多くの植物にとって、バーナリゼーションは開花を促すための重要なプロセスですが、一部の植物では、発芽自体にもバーナリゼーションが必要となります。 例えば、冬型の一年草と呼ばれる植物は、秋に種をまいてもすぐには発芽せず、冬の寒さを経験することで、春に発芽します。これは、冬の間に低温にさらされることで、種の中で発芽を抑制する物質が分解されたり、逆に発芽を促進する物質が合成されたりするなど、複雑な生化学的変化が起こるためだと考えられています。 このように、バーナリゼーションは、植物が厳しい自然環境を生き抜き、子孫を残すための巧みな戦略の一つと言えるでしょう。 -
ダイコン、カブ栽培の大敵!キスジノミハムシ対策
- 小さな体に大きな被害キスジノミハムシ。その名前から、可愛らしい昆虫を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、ダイコンやカブなどのアブラナ科の野菜を育てる農家にとって、この小さな虫は大きな悩みの種となっています。成虫は体長わずか2mmほど。黒地に黄色の二本線が目立つ姿をしています。飛び跳ねる様子がノミに似ていることから、この名前が付けられました。可愛らしい響きとは裏腹に、この小さな虫は、葉を食い荒らす厄介な害虫なのです。キスジノミハムシは、主に葉を好み、小さな穴をたくさんあけてしまいます。柔らかい葉を好むため、特に苗の段階で被害が大きくなりやすいのが特徴です。被害が大きくなると、葉の生育が悪くなり、光合成を阻害するため、野菜の生育にも悪影響を与えてしまいます。ひどい場合には、葉が枯れてしまい、収穫量が激減してしまうこともあります。また、キスジノミハムシは繁殖力が非常に強く、年に数回も世代交代を繰り返します。そのため、一度発生してしまうと、完全に駆除するのが難しい害虫としても知られています。農家の方々は、キスジノミハムシの被害から大切な作物を守るため、日々様々な対策を講じているのです。 -
家庭菜園の敵!萎黄病対策
- 萎黄病とは萎黄病は、家庭菜園で育てていると、キャベツやダイコンなど、様々な野菜に発生する可能性がある、恐ろしい病気です。 この病気の原因は、土の中に潜んでいる「フザリウム菌」と呼ばれるカビの一種です。フザリウム菌は、植物の根から侵入し、水や養分の通り道である導管を塞いでしまいます。その結果、植物は必要な水や養分を吸収することができなくなり、栄養失調の状態に陥ります。栄養失調になった植物は、徐々に衰弱していき、様々な症状が現れます。例えば、葉の色が黄色や茶色に変色したり、生育が止まってしまったりします。また、症状が進むにつれて、葉がしおれたり、枯れたりするようになります。萎黄病は、一度発生してしまうと、完全に治すことが難しい病気としても知られています。 そのため、萎黄病から大切な野菜を守るためには、日頃から土壌の消毒や排水対策など、予防を徹底することが重要です。 -
大根の悩み「す入り」を防いで美味しい収穫を!
- 大根の「す入り」とは? 大根を収穫して切ってみたら、中心部分がスカスカになっていてがっかり…なんて経験はありませんか? これは「す入り」と呼ばれる現象で、大根やカブなど、根菜類でしばしばみられます。 一見、外見からは判断しにくいことも多いですが、持った時に軽かったり、叩いてみて軽い音がするものは「す入り」の可能性があります。カットしてみると、中心部が空洞になっていたり、スポンジ状になっていて、本来のシャキシャキとした食感が失われていることがあります。 この「す入り」は、大根の生育過程におけるストレスが原因で起こると考えられています。 例えば、急激な気温の変化や乾燥、肥料不足などが挙げられます。特に、春先の暖かい時期に種をまき、生育初期に暖かい日が続いた後に冷え込むと、「す入り」が発生しやすくなります。また、土壌中の水分が不足したり、肥料、特に窒素肥料が不足していても、「す入り」の原因となります。
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