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ほう素欠乏と植物の生育不良
- ほう素欠乏とは?植物が健やかに育つためには、様々な栄養素が必要です。なかでも、「窒素」「リン酸」「カリウム」といった主要な栄養素だけでなく、微量ながらも大切な役割を担う「微量要素」も欠かせません。 「ほう素」は、この微量要素のひとつであり、植物の細胞壁の形成や細胞分裂、そして光合成でつくられた糖分の移動など、生育の様々な場面で重要な役割を担っています。 このほう素が不足してしまうと、植物は正常に育つことができなくなり、様々な生育不良を引き起こします。これを「ほう素欠乏」と呼びます。ほう素は土壌中にわずかに含まれており、植物はこのわずかなほう素を吸収して生育しています。しかし、土壌の酸性化や乾燥などが進むと、植物が吸収できるほう素の量が減ってしまうため、ほう素欠乏が起こりやすくなります。 また、砂質土壌のように、もともと土壌中のほう素含有量が少ない場合も注意が必要です。ほう素欠乏の症状は、植物の種類や生育段階、土壌中のほう素濃度などによって異なりますが、一般的には、植物の先端部分(成長点)付近の葉が黄化したり、変形したりする症状が現れます。 また、花芽や果実の生育が悪くなったり、落花や落果が増加したりすることもあります。 -
植物の生育を左右する「心止まり」現象とは?
- 植物の成長を止める「心止まり」植物を育てていると、茎の先端や枝の先端がそれ以上伸びなくなり、成長が止まってしまうことがあります。このような現象を「心止まり」と呼びます。一見、聞き慣れない言葉に感じるかもしれませんが、ガーデニングの世界では比較的よく遭遇する現象です。植物が本来持つ性質である場合や、生育環境の変化によって引き起こされる場合など、その原因はさまざまです。「心止まり」は、植物の種類や品種によって、自然な成長過程で起こる場合があります。例えば、トマトのように、ある程度の高さまで成長すると、それ以上は主茎が伸びず、脇芽が成長する性質を持つ植物もあれば、草花の中には、開花と同時に成長が止まる一年草なども存在します。これらの場合は、植物が本来持っている性質によるものなので、特に心配する必要はありません。一方で、生育環境の変化によって「心止まり」が起こる場合もあります。例えば、急激な温度変化や、水切れ、肥料不足などが原因で、植物がストレスを感じ、成長が止まってしまうことがあります。このような場合は、原因を取り除くことで、再び成長を促すことができます。日当たりや風通しの良い場所に移動したり、適切な水やりや肥料やりを行うようにしましょう。「心止まり」は、一見、植物の生育に悪影響を与える現象のように思えるかもしれません。しかし、植物の成長をコントロールする上で、重要な役割を果たす場合もあります。例えば、摘心と呼ばれる作業は、植物の先端を切り取ることで、わき芽の成長を促進し、より多くの花を咲かせたり、実を大きくするために用いられます。「心止まり」について正しく理解し、その原因を探ることによって、植物の生育をコントロールし、より大きく、より美しく育てることができるようになるでしょう。
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