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組織培養苗:その仕組みと利点
- 組織培養苗とは? 組織培養苗とは、植物の細胞や組織を人工的に培養して作られた苗のことです。 従来の種まきや挿し木とは異なり、無菌状態に保たれた特殊な環境下で、親株の一部から増殖を行います。 植物の一部である、茎の先端にある成長点や、葉、根などには、その植物のすべての遺伝情報を持った細胞が存在します。 組織培養では、これらの細胞を無菌的に取り出し、栄養分を含んだ培地に移植することで、細胞分裂を促進し、新たな植物体を増殖させます。 組織培養苗の最大のメリットは、病気や害虫の影響を受けにくい、健全な苗を大量に生産できることです。 また、ウイルスフリーの苗を生産することも可能になります。 さらに、種子で増殖が難しい植物や、成長が遅い植物でも、短期間で大量に増殖させることができます。 組織培養は、近年、農業分野において注目されている技術の一つであり、優良な品種の大量生産や、新品種の開発など、様々な分野で応用されています。 -
メリクロン技術:植物を増やす驚異の力
- メリクロン技術とは メリクロン技術は、植物を増やすための画期的な技術です。 植物の成長には欠かせない「成長点」と呼ばれる部分を利用します。 成長点は、植物の先端にあり、わずか1ミリほどの小さな芽です。 小さな芽ですが、その植物のすべての遺伝情報が詰まっています。 この遺伝情報のおかげで、芽は葉や茎、根などをつくり、植物は大きく成長していきます。 メリクロン技術では、まず、この大切な成長点を植物から切り取ります。 次に、無菌状態に保たれた特別な培養液に移植します。 培養液には、植物が成長するために必要な栄養がたっぷり含まれています。 すると、切り取られた成長点は、培養液の中で細胞分裂を始め、次々と新しい芽を作っていきます。 こうして、元の植物と全く同じ遺伝子を持つ、たくさんの新しい植物を、短期間で増やすことができるのです。
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