ファイトプラズマ:植物を脅かす微小な病原体
- ファイトプラズマとは?
ファイトプラズマは、植物に様々な病気を引き起こす、目に見えないほど小さな生き物です。昔はマイコプラズマ様微生物(MLO)と呼ばれていましたが、生き物の設計図である遺伝子を詳しく調べる技術が進歩したことで、細菌に近い仲間であることが分かりました。
ファイトプラズマは、植物の体の中にある、栄養を運ぶ管である師管に入り込み、そこで栄養を奪いながら数を増やしていきます。師管は、植物にとって、人間でいう血管のような役割を果たしており、体全体に栄養を届けるためにとても重要な部分です。
そのため、ファイトプラズマに感染してしまうと、植物は栄養不足になり、うまく育つことができなくなってしまいます。その結果、十分に成長できなかったり、本来とは違う形になってしまったり、最悪の場合には枯れてしまうこともあります。
ファイトプラズマは、野菜や果物、花など、様々な種類の植物に感染することが知られており、農業にも深刻な影響を与える可能性があります。