ランナーで増やす楽しみ
- ランナーって何?
植物の世界では、子孫を増やす戦略は実に様々です。種を飛ばしたり、球根を作ったりと、それぞれの植物が独自の進化を遂げてきました。その中でも、今回ご紹介する「ランナー」は、まるで地面を這うようにして増える、ユニークな繁殖方法です。
ランナーは、一部の植物に見られる、親株から伸びる細長い茎のようなものです。一見すると、ただ茎が伸びているだけのように見えますが、ランナーのすごいところは、先端や途中に新しい芽や根を出すことができる点です。そして、そこから子株が育ち始めるのです。まるで親株が自分の分身を作って、どんどんと勢力を広げていくように見えます。
このランナーによる繁殖方法は、植物にとって子孫を残す上で、とても効率的な方法です。なぜなら、親株と同じ遺伝子を持った子株を、確実に、しかも広範囲に増やすことができるからです。また、地面を這うように伸びるため、他の植物との競争を避け、太陽の光を独占しやすいという利点もあります。
ランナーで増える植物としては、イチゴやユキノシタ、オリヅルランなどが有名です。これらの植物を育てるときは、ランナーの性質を理解しておくと、より深く楽しむことができるでしょう。