植物の開花を操る、光周性という魔法
- 光周性とは?
植物は、まるで動物のように季節の変化を感じて、花を咲かせたり、葉を落としたり、休眠したりします。では、どうやって季節の変化を感じ取っているのでしょうか? 実は、植物は日の長さや、昼と夜の時間のバランスの変化を感じ取ることで、季節の移り変わりを認識しているのです。これを-光周性-と呼びます。
植物は、葉に含まれる特殊な色素を使って、光の量や時間の長さを測っています。そして、その情報をもとに、花を咲かせるホルモンを作ったり、成長を止めたりするホルモンを作ったりして、自らの行動を調節しているのです。
例えば、秋に花を咲かせるキクは、日が短くなっていくことを感じて花芽をつけ始めます。逆に、春に花を咲かせるセイヨウタンポポは、日が長くなっていくことを感じて花芽をつけます。このように、植物は光周性によって、適切な時期に花を咲かせ、種子を作ることができるのです。
光周性は、植物が厳しい自然環境の中で生き抜くために身につけた、巧みな生存戦略と言えるでしょう。