植物が利用できない水-非有効水分-
- 土壌水分の種類土の中には、植物の生育に欠かせない水が存在しますが、その水はすべてが植物に利用できるわけではありません。土の粒子の間には、様々な形で水が保持されており、それぞれ異なる性質を持っています。植物が根から吸収できる水は、これらのうちのごく一部に過ぎません。土壌中の水分は、大きく分けて、化合水、吸湿水、毛管水などに分類されます。* -化合水-は、土の成分と化学的に結合している水です。この水は、植物が利用することはできません。非常に高温で加熱処理を行うことで、土壌から取り除くことができます。* -吸湿水-は、土の粒子の表面に、大気中の水蒸気を吸着して保持されている水です。吸湿水も、植物が利用できる水ではありません。土壌が乾燥すると、最初に失われる水分です。* -毛管水-は、土の粒子と粒子の間に、表面張力によって保持されている水です。毛管水は、植物が根から吸収して利用できる水です。毛管水は、さらに、土壌粒子と強く結びついている毛管結合水と、重力によって排水される毛管重力水に分けられます。このように、土壌中の水分には様々な種類があり、それぞれ植物にとって異なる意味を持っています。植物が健全に生育するためには、土壌中に適切な量の毛管水が含まれていることが重要です。適切な水やりや土壌改良によって、植物が利用できる水の量を調整することができます。