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知っていると役立つ!登録品種のお話
園芸の世界は、色とりどりの花や個性的な形の植物など、実に多様な植物で溢れています。そして、これらの植物の中には、「登録品種」と呼ばれる特別なラベルが付けられたものがあるのをご存知でしょうか? - 登録品種とは? 登録品種とは、国によって正式に認められた、いわば「植物の新品種」のことです。新しいお米の品種や、今までにない色鮮やかな花など、私たちが普段目にする植物の中にも、この登録品種として認められたものがたくさんあります。 新しい植物の品種は、自然交配や突然変異などによって、偶然に生まれることもあります。しかし、近年では、より美しい花を咲かせたり、病気に強い品種を作ったりするために、専門家によって人工的に交配されることが多くなっています。 そして、厳しい審査を経て、その特徴が他にない新品種であると認められたものが「登録品種」として登録されるのです。登録されると、その品種名は法律によって保護され、許可なく増殖や販売を行うことはできなくなります。 登録品種は、開発者の長年の努力が認められた、いわば「植物界のスター」と言えるでしょう。 -
華麗なる進化!ハイブリッドティーの魅力
- ハイブリッドティーとはハイブリッドティーは、その名の通り、異なる種類のバラを交配させて生まれた品種です。交配に使われたのは、繊細な美しさと芳醇な香りで知られるティーローズと、丈夫で繰り返し咲きやすいハイブリッドパーペチュアルです。 19世紀後半に誕生したハイブリッドティーは、両方の親の良いところを受け継いだ、まさに「いいとこどり」のバラと言えるでしょう。ティーローズ譲りの上品で華やかな花姿と、うっとりするような甘い香りは、多くの人々を魅了してやみません。花の色や形も豊富で、赤、ピンク、黄色、白など、さまざまなバリエーションが存在します。一輪挿しにしても、花束にしても、その美しさは格別です。一方、ハイブリッドパーペチュアルからは、耐寒性や耐病性といった強さと、四季咲き性を受け継いでいます。このため、ハイブリッドティーは比較的育てやすく、ガーデニング初心者の方にもおすすめです。美しい花を一年を通して楽しむことができます。その華やかさから「バラの女王」と称されることもあるハイブリッドティー。世界中で愛されているこのバラを、あなたも庭に迎えてみてはいかがでしょうか。 -
自然のいたずら?自然交雑種の面白さ
- 自然交雑種とは?自然交雑種とは、人の手を借りずに、自然界で異なる種類の植物が交わって生まれた新しい植物のことです。風や昆虫によって運ばれた花粉が、別の種類の花のめしべに偶然付着することで、思いがけない組み合わせが生まれ、新しい特徴を持った植物が誕生することがあります。自然交雑は、植物が厳しい環境下で生き残るための戦略として、進化の過程に組み込まれているとも考えられています。例えば、異なる環境に適応した二つの種類の植物が交雑することで、両方の親の優れた性質を受け継いだ、より丈夫な子孫が生まれる可能性があります。自然交雑によって生まれた植物は、時にその美しさや珍しさから、人の手で栽培され、園芸品種として楽しまれることもあります。また、自然交雑は、新しい品種を生み出すためのヒントを私たちに与えてくれることもあります。しかし、自然交雑によって生まれた植物の中には、在来種との競合や、遺伝的な撹乱を引き起こす可能性も孕んでいます。自然のバランスを保つためにも、自然交雑種については、注意深く観察していく必要があります。 -
自家結実性で広がるガーデニングの可能性
- 自家結実性とは-# 自家結実性とは植物の世界では、花を咲かせ、果実を実らせるために、花粉を別の個体の花に運ぶ受粉が必要となります。多くの植物は、自身とは異なる遺伝子を持つ別の個体の花粉を受粉する必要があり、これを「他家受粉」と呼びます。一方、「自家結実性」とは、植物が自身の花粉を使って受粉し、果実や種子を作ることができる性質を指します。つまり、他の個体が近くに存在しなくても、自身だけで子孫を残せるということです。自家結実性のメリットとしては、受粉の手間が省けること、確実に子孫を残せることなどが挙げられます。特に、周囲に同種の植物が少ない環境や、昆虫が少ない時期に開花する植物にとっては、自家結実性は子孫繁栄のために非常に重要な性質と言えます。自家結実性を持つ植物の代表例としては、トマト、ナス、ピーマンなどがあります。これらの野菜は、家庭菜園でも簡単に実を収穫できるため、人気が高いと言えるでしょう。しかし、自家結実性にはデメリットも存在します。それは、遺伝子の多様性が失われやすいという点です。常に同じ遺伝子を持つ子孫が増えていくと、環境の変化に適応しにくくなる可能性があります。そのため、自家結実性を持つ植物であっても、昆虫などによって他家受粉を行う場合もあります。自然界では、自家結実性と他家受粉をバランス良く行うことで、種の存続を図っていると言えるでしょう。 -
植物の強さを知る:耐病性とは?
私たちは日頃から、風邪をひきやすい人とそうでない人がいることを知っています。これは人間だけでなく、植物の世界でも同じことが言えます。 例えば、同じ種類の花を見ていても、ある品種は病気にかかりやすく、別の品種は病気にかかりにくいということがあります。 この、病気に対する強さの違いを生み出す性質を「耐病性」と呼びます。 まるで、私たちが生まれつき持っている体の強さの違いのように、植物もそれぞれに生まれ持った病気への強さを持っています。 この耐病性は、品種改良において非常に重要な要素となります。 病気にかかりにくい品種を育てることで、農薬の使用量を減らし、環境への負担を軽減できるだけでなく、安定した収穫を得ることができるからです。 私たちが健康に気を配るように、植物にとっても病気への強さは、健やかに育つために欠かせない要素と言えるでしょう。 -
植物を育てる楽しみ:他家受粉のススメ
- 多様な植物の世界への扉 庭いじりや植物を育てる楽しみの一つに、実に様々な種類の植物を育てられるという点があります。背の高いもの、低いもの、色鮮やかな花を咲かせるもの、落ち着いた緑の葉を広げるものなど、その姿形は実に多種多様。そして、それぞれの植物が独自の美しさや個性を持っています。 そんな植物たちの世界をさらに広げ、新しい魅力を引き出す方法の一つに「他家受粉」があります。これは、異なる種類の植物間で受粉させることで、両親とは異なる特徴を持つ、全く新しい品種を生み出す技術です。 例えば、鮮やかな赤い花を咲かせる植物と、丈夫な茎を持つ植物を掛け合わせることで、より美しく、そして強い日差しにも負けない、新しい品種の赤い花を咲かせる植物が誕生するかもしれません。 もちろん、他家受粉は容易な作業ではありません。植物の相性や、生育環境、さらには、根気強く観察を続けることなど、多くの要素が関わってきます。しかし、だからこそ、成功した時の喜びはひとしおと言えるでしょう。 庭いじりや植物栽培は、自然と触れ合い、生命の神秘を感じる素晴らしい趣味です。そして、他家受粉という手法を通じて、あなただけのオリジナルの植物を生み出すことができれば、その喜びはさらに大きなものになるはずです。 -
一つの株で二度楽しめる!咲き分けの魅力
庭を彩る花々は、私たちの目を楽しませてくれます。色とりどりの花が咲き乱れる風景は、まさに絶景と言えるでしょう。その中でも、一つの株から異なる色の花を咲かせる「咲き分け」は、自然の神秘を感じさせる現象です。まるで、一つのキャンバスに複数の絵の具で描かれた絵画のように、見る者を魅了します。今回は、この不思議な現象「咲き分け」について、詳しく解説していきます。 咲き分けは、一つの株から異なる色の花が咲く現象のことを指します。例えば、赤い花を咲かせることで知られるツツジの品種でも、咲き分けが起こると、白やピンクの花を同時に咲かせることがあります。また、絞り模様のように、一つの花びらに複数の色が混在することもあります。このような現象は、突然変異や遺伝子の組み合わせによって起こると考えられています。 咲き分けは、ツバキやサツキ、バラなど、様々な種類の植物で確認されています。特に、ツバキは咲き分けの起こりやすい植物として知られており、古くから愛好家の間で楽しまれてきました。中には、「この枝からは赤い花が咲くが、あの枝からは白い花が咲く」といったように、枝ごとに異なる色の花を咲かせるものもあります。 咲き分けは、自然の偶然によって生み出される芸術作品と言えるでしょう。庭に咲き分けの植物があると、その予測不能な変化を楽しむことができます。 -
庭に咲く先祖の記憶:先祖返り現象
私たちが愛情を込めて庭で育てている植物たち。 色とりどりの花を咲かせたり、緑の葉を広げたりする姿は、私たちの心を和ませてくれます。 そんな植物の姿をよく観察してみると、普段見慣れた姿とは異なる特徴が現れることがあります。 これは「先祖返り」と呼ばれる現象で、植物の中に眠っていた先祖代々の性質が、再び姿を現す現象です。 例えば、美しい八重咲きの花を咲かせるバラの木から、一重の花が咲いたり、斑入りの葉を持つ植物から、緑一色の葉が生えてくることがあります。 これらの変化は、まるで植物が、遠い過去に生きていた祖先の面影を私たちに見せてくれているかのようです。 先祖返りが起こる原因は、環境の変化や植物自身の状態など、様々な要因が考えられます。 長期間にわたる品種改良によって、現代の植物は、本来の姿とは異なる特徴を持つようになっています。 しかし、植物の細胞の中には、祖先から受け継いだ遺伝情報が、時を超えて大切に守られています。 そして、あるきっかけで、眠っていた遺伝情報が目覚め、先祖返りとして現れると考えられています。 先祖返りは、植物の奥深さや生命の神秘を感じさせてくれるだけでなく、品種改良の歴史を紐解く手がかりにもなります。 庭で植物を育てる際には、葉の形や花の色など、注意深く観察してみて下さい。 もしかすると、植物たちが過去の物語を語りかけてくれるかもしれません。 -
一代交配種とは?
一代交配種とは、異なる性質を持つ、純粋な系統の両親を掛け合わせて作られた種のことです。身近な野菜や花など、多くの植物に用いられています。この種を作るには、まず両親となる系統を選抜し、それぞれを何世代にも渡って自家受粉させて、形質を固定する必要があります。こうしてできた純粋な系統同士を掛け合わせると、その子供である一代交配種が生まれます。 一代交配種は、両親の優れた性質を受け継ぐため、様々な利点があります。まず、生育が旺盛で、ぐんぐん成長します。また、収穫量が多い傾向があり、質の高い実をたくさん付けることができます。さらに、病気や害虫に対する抵抗力も強いため、栽培が比較的容易です。これらの利点から、現在では多くの農家や園芸家が、一代交配種を積極的に利用しています。 しかし、一代交配種は、その種を採取して再び蒔いても、同じ性質を持つとは限りません。これは、一代交配種が持つ優れた性質は、両親の遺伝子が組み合わさることで初めて現れるためです。そのため、毎年同じように栽培するためには、再び種を購入する必要があります。 -
あなたにぴったりの花を咲かせよう:品種の選び方
- 品種とは 植物の世界は実に多様性に富んでいますが、同じ種類の中にも、さらに細かいグループ分けが存在します。それが「品種」です。 品種とは、例えば「バラ」という花を例に挙げると、誰もが「バラ」だと認識できる共通の特徴は持ちつつも、花の色が赤、黄色、ピンクなど、他の個体とは明らかに異なる特徴を持つものを指します。 これらの特徴は、花の色や形だけに限りません。葉の形や模様、植物全体の大きさ(草丈)、さらには香りや実の付き方、病気への強さなど、様々な要素が品種を区別する基準となります。 例えば、同じ「リンゴ」でも、「ふじ」は甘みが強く保存性に優れている、「つがる」は酸味と甘みのバランスが良く果汁が多いなど、品種によって異なる個性を持っています。 このように、品種とは、同じ種類の植物の中で、遺伝的に固定された、目で見ても分かるほどの違いがあるものを分類したグループと言えるでしょう。 -
晩抽性:ゆっくりと花茎が伸びる性質とは?
- 晩抽性とは?植物が成長する過程で、花茎が伸びて花を咲かせる現象を「抽苔(ちゅうだい)」と呼びますが、この抽苔が起こるのが遅い性質を「晩抽性」と言います。 すべての植物に共通する性質ではなく、特に葉や根を食べる葉根菜類において、この晩抽性が重要視されます。一般的に、植物は子孫を残すために花を咲かせ、種子を作ります。そのために、花茎を伸ばして高く成長する必要があるのです。 しかし、私たちが食用とする葉根菜類の場合、花茎が伸びてしまうと葉や根が硬くなってしまい、食用には向かなくなってしまいます。例えば、ほうれん草を例に考えてみましょう。 ほうれん草は、花茎が伸びると葉が硬くなり、えぐみが増してしまいます。 逆に、花茎の成長が遅く、葉が柔らかい状態が長く続くほうが、収穫量も増え、長く楽しむことができます。このように、葉根菜類を栽培する上で、晩抽性を持つ品種を選ぶことは、収穫量や品質に大きく影響する重要な要素と言えるでしょう。 -
晩生の魅力
- 晩生とは?植物を育てる楽しみの一つに、種まきから収穫までの期間がありますね。 この期間の長さは、植物の種類だけでなく、同じ種類でも「品種」によって異なることがあります。 その指標の一つに「晩生」という言葉があります。 晩生とは、簡単に言うと、種まきや苗の植え付けをしてから、花が咲き、実を収穫するまでにかかる期間が長い品種のことを指します。 例えば、トマトを育てるとします。 トマトには、早く収穫できる早生品種から、じっくり時間をかけて育てる晩生品種まで、様々な種類があります。 早生品種のトマトであれば、種まきから2~3ヶ月ほどで真っ赤な実を収穫できますが、晩生品種の場合は、4ヶ月以上かかることもあります。 このように、同じトマトでも、品種によって収穫までの期間が大きく異なることが分かります。 晩生の品種は、収穫までに時間がかかりますが、じっくりと栄養を蓄えるため、味が濃厚になる、大きく育つなどの特徴があります。 晩生は、トマトだけでなく、キュウリやナスなどの野菜、イチゴやブドウなどの果物など、様々な植物に見られる特徴です。 どのくらい長くかかるのかは、品種によって異なるため、種や苗を購入する際に確認するようにしましょう。 晩生の品種は、時間をかけてじっくりと育てたいという方におすすめです。 -
現代庭園を彩るモダンローズ
- モダンローズとはモダンローズは、20世紀初頭から現代に至るまで作り出されてきた、バラの品種群を指す言葉です。19世紀より前に存在していたバラを総称してオールドローズと呼びますが、モダンローズはそれと区別されます。モダンローズは、華やかでバラエティ豊かな花の形と、四季咲き性を持つことが大きな特徴です。四季咲き性とは、春の一季だけでなく、繰り返し花を咲かせる性質を指します。従来のバラは、春に一度だけ花を咲かせる一季咲き性のものがほとんどでした。しかし、1867年にフランスで「ラ・フランス」という四季咲きのバラが誕生したことが、モダンローズの誕生のきっかけとなりました。ラ・フランスは、オールドローズと中国原産のバラを交配して作られた、ハイブリッド・ティーローズという新しい系統のバラです。ハイブリッド・ティーローズは、その後も世界中で品種改良が進められ、四季咲き性に加えて、花の色や形、香りも多様化していきました。こうして、現代の私たちが目にしているような、華やかで美しいモダンローズが数多く誕生したのです。モダンローズは、その美しさから世界中の庭園で愛され、多くの人々を魅了し続けています。 -
交雑種の力で花壇を華やかに
- 交雑種とは? 異なる性質を持つ植物同士を掛け合わせることで、新たな品種を生み出すことがあります。これを「交雑」といい、そのようにして生まれた植物を「交雑種」と呼びます。 例えば、赤い花を咲かせる植物と白い花を咲かせる植物を交雑させたとします。すると、その子供はピンクの花を咲かせるかもしれません。これは、両親それぞれが持つ遺伝子が組み合わさり、新しい花の色を生み出したからです。 交雑種は、両親のどちらとも異なる特徴を持つことがあります。花の色だけでなく、花の大きさや形、香り、さらには病気への強さや収穫量なども、親とは異なる特徴が現れることがあります。 このように、交雑種は単に両親の特徴を混ぜ合わせただけではありません。時には、両親よりも優れた特性を持つこともあり、私たち人間にとってより有用な植物になる可能性を秘めているのです。 -
代々受け継がれる美しさ:固定種の物語
- 固定種とは?固定種とは、その名の通り、親世代の特徴がしっかりと固定され、子世代、孫世代へと変わらず受け継がれていく植物の品種のことです。代々受け継がれてきた種から育った野菜は、まるで先祖代々受け継がれてきた家宝のように、昔ながらの懐かしい味がします。固定種は、長い年月をかけてその土地の気候や土壌に適応し、その地域にとって育てやすい性質を持つようになりました。そのため、農薬や化学肥料の使用が少なくても、元気に育つものが多くあります。現代では、効率性や見た目の美しさを追求した品種改良が進み、スーパーに並ぶ野菜の多くはF1品種と呼ばれるものが主流です。F1品種は一代限りでその特徴が現れますが、固定種は種を採って蒔けば、また同じようにその特徴を受け継いだ野菜を育てることができます。これは、まるで植物が自身の歴史を語り継いでいるかのようで、私たちに自然の神秘と命の尊さを教えてくれます。種を採り、次の世代へと繋いでいく。固定種を育てることは、単に野菜を育てるだけでなく、地域の伝統や文化、そして自然の恵みを未来へと繋いでいく、大切な行為と言えるでしょう。 -
マクワ質メロンって?
- メロンとマクワの違いメロンとマクワ。どちらも甘くてみずみずしい夏の果物ですが、異なる植物であることをご存知ですか?名前も似ていて、見た目も丸い形をしているため、混同してしまう方もいるかもしれません。そこで今回は、メロンとマクワの違いについて詳しく解説していきます。まず、メロンはウリ科キュウリ属に分類されます。果皮には網目状の模様(ネット)やコルク質の隆起が見られるものが多く、これがメロンの特徴と言えるでしょう。果肉の色は、品種によって赤肉、青肉、白肉など様々です。一般的に、芳醇な香りと濃厚な甘みが特徴です。一方、マクワはウリ科マクワ属に分類され、メロンとは属レベルで異なります。果皮はメロンに見られるような網目模様や隆起はなく、つるつるとして滑らかです。また、果肉の色は薄い緑色をしているのが特徴です。メロンに比べると、甘みは控えめでさっぱりとした味わいを楽しむことができます。このように、メロンとマクワは異なる植物であり、見た目や味の特徴も異なります。どちらの果物もそれぞれに良さがありますので、食べ比べてみて自分の好みを見つけてみてはいかがでしょうか。 -
農林水産省登録品種:その意味と重要性
- 植物の品種改良と保護私たちが普段口にしている野菜や果物、そして庭を彩る美しい花々。これらはすべて、長い時間をかけて改良を重ねてきた植物たちの結晶です。 よりおいしい作物を目指したり、病気や害虫に強い品種を生み出したりと、品種改良は農業や園芸において欠かせないものです。新しい品種を生み出すには、交配や選抜を繰り返す地道な作業が必要となります。 例えば、果実が大きく育つ品種と、病気に強い品種を掛け合わせることで、両方の特徴を持つ新たな品種を開発するといった具合です。しかし、このような品種改良は決して容易ではありません。目的の性質を持つ品種が生まれるまでには、長い年月と膨大な労力がかかることも珍しくありません。そこで、品種改良者の努力と成果を守るために設けられたのが、「品種登録制度」です。これは、新しい植物の品種を開発した人が、その品種に関する権利を保護するための制度です。 品種登録されると、開発者はその品種を独占的に販売したり、増殖を制限したりすることができます。 この制度は、品種改良のモチベーションを高め、ひいては農業や園芸の発展に貢献しています。品種改良は、単に私たちの生活を豊かにするだけではありません。気候変動による環境変化に強い品種や、食糧問題の解決に貢献する品種など、未来に向けても重要な役割を担っています。 これからも品種改良は、私たち人類にとって欠かせない技術であり続けるでしょう。 -
経済品種:農業を支える重要な選択
私たちが日々口にする野菜や果物、穀物には、実に多くの種類が存在します。例えば、お米だけでもコシヒカリやあきたこまちなど、様々な品種が栽培されていますよね。これは、他の農作物でも同じです。トマトであれば、大玉トマト、ミニトマト、フルーツトマトなど、形も味も異なる多様な品種が存在します。 こうした多様な品種の中から、農家の人々は収益性を高めるために、いくつかの重要な要素を考慮して栽培する品種を選びます。まず、「生産性」は重要な要素です。同じ面積でより多くの収穫が見込める品種を選ぶことで、効率的に収益を上げることができます。次に、「品質」も重要な要素です。味や見た目が良く、消費者に喜ばれる品種を選ぶことで、より高い価格で販売することができます。さらに、「耐病性」も品種選びの重要な要素となります。病気にかかりにくい品種を選ぶことで、農薬の使用量を抑え、安全な作物を安定して供給することができます。 このように、生産性や品質、耐病性など、農業経営を行う上で有利な要素を考慮して選ばれた品種のことを「経済品種」と呼びます。経済品種は、農家の人々が収益を確保し、私たちに安定して農作物を届けるために欠かせない存在なのです。 -
知っておきたい! F1品種の基礎知識
- F1品種とは?園芸の世界で、野菜や花の種袋を見ると「F1」という表記をよく見かけますよね。 これは一体何を意味するのでしょうか? F1とは、First Filial Generationの略称で、日本語では「雑種第一世代」という意味です。 では、雑種第一世代とは一体どんなものでしょうか? 例えば、赤くて大きな実をつけるトマトと、黄色くて小さい実をつけるトマトがあるとします。この2種類のトマトをかけ合わせてできた最初の世代のトマトがF1品種、つまり雑種第一世代ということになります。 F1品種の最大の特徴は、両親の優れた性質を受け継いでいることです。 先ほどのトマトの例で言えば、赤くて大きな実をつける性質と、黄色くて小さい実をつける性質の両方を受け継いでいるため、赤くて大きい実をつけるF1品種が生まれる可能性があります。 さらに、F1品種は、一般的に生育が揃いやすく、病気にも強いという特徴も持っています。 これは、両親の異なる遺伝子を受け継ぐことで、より環境に適応しやすくなるためです。 このように、F1品種は、優れた性質と栽培のしやすさを兼ね備えているため、家庭菜園でも広く利用されています。 -
食卓を変える?遺伝子組換え作物GMO
- 遺伝子組換え作物とは 近年、農業の世界で注目を集めている技術に「遺伝子組換え」というものがあります。普段私たちが口にする野菜や果物、穀物の中にも、この技術を使って作られたものが存在します。では、遺伝子組換え作物とは一体どのようなものなのでしょうか? 簡単に言うと、遺伝子組換えとは、ある生物が持つ優れた性質を、別の生物に組み込むことで、より丈夫で育てやすい、あるいは栄養価の高い作物を作り出す技術です。 例えば、害虫に強いトウモロコシがあるとします。このトウモロコシが持つ「害虫への強さ」を生み出す遺伝子を、害虫に弱い別のトウモロコシに組み込むことで、そのトウモロコシも害虫に強くなります。 この技術によって、従来よりも農薬を使う量を減らすことができ、環境への負担を軽くすることができる可能性も期待されています。また、栄養価の高い作物を作り出すことで、食糧問題の解決にも役立つ可能性も秘めているのです。 -
F1品種で均一な植物を育てよう!
- F1品種とは?異なる特徴を持つ純系の親同士を交配させてできる一代目の品種のことを、F1品種(一代交配品種)と呼びます。身近な野菜や花卉の多くがこのF1品種にあたります。では、なぜF1品種が多く作られるようになったのでしょうか?そこには、F1品種ならではの優れた特徴があるからです。まず、F1品種は両親の優れた性質を受け継ぐため、生育が旺盛で、病気にも強い傾向があります。これは、農家の方にとっては栽培の手間が省け、収穫量も見込めるという大きなメリットになります。また、消費者にとっても、形や大きさ、品質が揃ったものが安定して手に入るという利点があります。さらに、F1品種は両親の遺伝子が組み合わさることで、親よりも優れた形質が現れることがあります。例えば、より甘くて大きな果実を実らせたり、花の色が鮮やかになったりすることがあります。 このように、多くの優れた特徴を持つF1品種ですが、種を採って育てても同じ性質を持つとは限りません。これは、F1品種の次世代では、両親から受け継いだ遺伝子が複雑に組み合わさり、様々な形質が現れてしまうためです。安定した品質を保つためには、毎年新たに種を購入する必要があります。F1品種は、生産者と消費者の双方にとって多くのメリットをもたらす画期的な品種改良技術と言えます。 -
園芸の最高峰!A.A.S.受賞品種の魅力
- A.A.S.とは?A.A.S.は、All-America Selections(オール・アメリカ・セレクションズ)の略称で、北アメリカ大陸全域を対象とした園芸品種の評価を行う機関です。1932年に設立され、その歴史は深く、家庭園芸が盛んな北アメリカにおいて、園芸愛好家から長年にわたり絶大な信頼を得ています。 A.A.S.の目的は、数多くの園芸品種の中から、特に優れた新品種を選抜し、その普及を促進することです。その選考基準は厳格で、病気への強さ、栽培のしやすさ、花や果実の美しさ、収量性など、様々な角度から評価が行われます。 厳しい審査をくぐり抜け、A.A.S.を受賞した品種は、その証としてA.A.S.のタグやラベルが付けられます。これは、その品種が高品質であることの証となり、消費者にとっての安心の指標となっています。A.A.S.受賞品種は、種苗会社や園芸店などで広く販売されており、家庭園芸の発展に大きく貢献しています。
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