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魅惑の突然変異:個性豊かな植物たち
- 突然変異ってなんだろう? 生き物の世界では、親から子へと受け継がれる設計図のようなものがあります。これを遺伝情報と呼びます。 この遺伝情報のおかげで、私たちは親と似た姿形や性質を受け継ぐことができるのです。 しかし、ごくまれに、この設計図の一部が書き換わってしまうことがあります。これが突然変異と呼ばれる現象です。 突然変異が起こると、生物の姿形や性質に変化が現れます。 例えば、花の色が変わったり、体の大きさが変化したり、病気への抵抗力が変化したりすることがあります。 突然変異は、私たち人間を含む、地球上のあらゆる生物で起こりうる現象です。そして、突然変異によって生まれた新しい特徴は、進化の原動力の一つとなっています。 私たちを取り巻く多様な生物の世界は、長い年月をかけて積み重ねられてきた突然変異の結果生まれたものなのです。 -
未来への鍵!DNAマーカー育種とは?
昔から、人々はよりおいしい野菜やより美しい花を追い求め、品種改良に取り組んできました。経験豊富な生産者が長年の勘と経験に基づき、優れた性質を持つ品種を選んで交配させるという地道な作業でした。気の遠くなるような時間と労力をかけて、ようやく新しい品種が誕生するのです。しかし近年、この伝統的な品種改良の世界に革新をもたらす技術が登場しました。それが「DNAマーカー育種」と呼ばれる技術です。 DNAマーカー育種は、従来の方法とは異なり、遺伝子レベルで品種の選抜を行います。植物のDNAには、その植物の性質を決める膨大な量の遺伝情報が含まれています。DNAマーカー育種では、特定の性質に関わる遺伝子領域を「マーカー」として利用します。そして、このマーカーを目印にすることで、目的の性質を持つ品種を効率的に選抜することができるのです。 従来の品種改良では、実際に植物を育ててみないと、その性質を知ることはできませんでした。しかし、DNAマーカー育種を用いれば、種子の段階で目的の性質を持つ品種を判別することが可能になります。これにより、時間と労力を大幅に削減できるだけでなく、より効率的に品種改良を進めることができるようになりました。 DNAマーカー育種は、農業や園芸の分野において、まさに革命的な技術と言えるでしょう。 -
4倍体の魅力: より大きく、より華やかに
生きとし生けるものすべてが、その体を作っている小さな部屋のような細胞の中に、染色体という糸のような構造を持っています。この染色体には、その生物の遺伝情報がぎっしりと詰まっており、人間で例えるなら、髪や目の色、身長など、その人を形作る設計図のような役割を担っています。 この染色体の数は、生物の種類によって異なり、決まった数が存在します。私たち人間の場合、46本の染色体を持っており、両親からそれぞれ23本ずつ受け継いでいます。これはあくまでもヒトという種にとっての基準であり、他の生物はそれぞれ異なる数の染色体を持っています。例えば、犬は78本、猫は38本もの染色体を持っています。 染色体の数は、生物の複雑さと直接関係しているわけではありません。染色体の数が少ないからといって、その生物が劣っているということは決してありません。それぞれの生物が、それぞれの進化の過程で、環境に適応するために必要な数の染色体を獲得してきたのです。 また、同じ種であっても、染色体の数が異なる場合があります。これを倍数性と呼びます。例えば、植物では、倍数体になると、実が大きくなったり、環境への適応力が強くなったりすることが知られています。私たちが普段食べている野菜や果物の中にも、この倍数性を活用して品種改良されたものが多くあります。
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