塩類濃度– tag –
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土壌障害:健やかな植物の成長を阻む見えない壁
- 土壌障害とは土壌障害とは、植物の根が正常に育つことを妨げる様々な要因が存在する土壌の状態を指します。一見すると、水はけや日当たりの良い、植物が育つのに適した環境に見えても、土壌内部で進行する目に見えない問題が、植物の健やかな成長を阻害している可能性があります。土壌障害は、特定の作物の生育を困難にするだけでなく、連作障害を引き起こし、収穫量や品質の低下にもつながるため、農業や園芸において深刻な問題となっています。土壌障害の原因は多岐に渡り、大きく分けて物理性、化学性、生物性の3つの側面から考えることができます。物理的な要因としては、土壌の粒子の大きさや、その配列によって生じる水はけや通気性の悪化、土壌の硬化などが挙げられます。例えば、粘土質の土壌は水はけが悪く、植物の根腐れの原因となることがあります。化学的な要因としては、酸性やアルカリ性の度合いを示すpHの偏り、塩類集積、肥料や農薬の過剰な蓄積などが挙げられます。例えば、酸性土壌では養分の吸収効率が悪くなり、植物の生育が阻害されます。生物的な要因としては、土壌中の微生物のバランスの乱れ、特定の病害虫の異常発生などが挙げられます。例えば、線虫などの有害な生物が増殖すると、植物の根にダメージを与え、生育を著しく阻害することがあります。土壌障害は、これらの要因が単独で、あるいは複合的に作用することで発生します。そのため、土壌障害を改善するためには、その原因を特定し、それぞれの要因に応じた対策を講じることが重要となります。 -
土壌のECでわかること
- 電気の通りやすさ -# 電気の通りやすさ 「EC」とは、「電気伝導度」の略称で、土壌がどれくらい電気を伝えやすいかを示す指標です。土壌に水が含まれていると、その水に溶けている物質が電気を運ぶ役割を果たします。そのため、土壌中の水に溶けている物質が多いほど、電気は流れやすくなるのです。 土壌に含まれる物質の中でも、特に塩分は電気をよく通します。そのため、ECの値が高ければ、土壌中の塩分濃度が高いことを意味します。 植物の生育には、適度な塩分が必要ですが、塩分濃度が高すぎると、根から水を吸収するのが難しくなり、生育不良を引き起こす可能性があります。このような状態を「塩類集積」と呼びます。 ECの値を測定することで、土壌中の塩分濃度を把握し、植物への塩害リスクを判断することができます。もし、EC値が高すぎる場合は、土壌改良や水はけの改善などの対策が必要となります。
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