土壌の呼吸:酸化分解と植物の関係
- 酸化分解とは
土壌中で枯れ葉や動物の死骸などの有機物が分解される過程は、植物が健やかに育つために欠かせません。この分解過程には、主に酸化分解と還元分解の二つの種類があります。
酸化分解とは、土壌中に酸素が豊富に存在する条件下で、微生物が有機物を分解していく過程を指します。
この過程で重要な役割を担うのが、酸素を好む好気性細菌です。土壌中に酸素が十分にある状態では、好気性細菌が活発に活動します。
好気性細菌は、有機物をエネルギー源として利用し、分解する過程で酸素を消費します。そして、分解の副産物として、植物の生育に欠かせない栄養素である二酸化炭素や水、そして硝酸などを生成します。
つまり、酸化分解は土壌中に新鮮な空気を送り込むことで促進され、植物へ栄養を供給する上で非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
一方、土壌中に酸素が不足すると、酸化分解は進みません。その代わりに、酸素を必要としない嫌気性細菌が活動を始め、還元分解と呼ばれる別の分解過程が進行します。