植物の呼吸を助ける気孔
道端で咲く花や、公園の木々など、私たちの周りにはたくさんの植物が生えています。普段何気なく目にしている植物ですが、よく観察してみると、葉の裏側を中心に、肉眼ではほとんどわからないほどの小さな穴が無数に開いていることに気が付くかもしれません。この小さな穴は「気孔」と呼ばれ、植物が生きていく上で欠かせない重要な役割を担っています。
気孔は、植物が呼吸をするための空気の出入り口としての役割を担っています。私たち人間が口や鼻から空気を取り込むように、植物も気孔を通して空気中の二酸化炭素を取り込み、光合成を行います。そして、光合成によって作られた酸素を気孔から排出しています。まるで植物の呼吸口のように、気孔は外部と内部を繋ぐ大切な通路となっているのです。
また、気孔は植物内の水分量を調節する役割も担っています。植物は、根から水を吸収しますが、吸収した水はすべて利用されるわけではありません。余分な水分は、気孔を通して水蒸気として空気中に排出されます。この働きによって、植物は常に適切な水分量を保つことができるのです。
このように、小さく目立たない気孔ですが、植物が生きていく上で欠かせない重要な役割を担っています。植物を観察する際には、葉の裏側もじっくりと見てみてください。そこには、植物の生きるための驚くべき仕組みが隠されているかもしれません。