植物の成長を支える形成層
- 植物の成長の要
植物がぐんぐん背を伸ばし、枝を横に広げ、太くたくましく育つ。
緑色の小さな芽が、太陽の光を浴びて、力強く成長していく様は、生命の神秘を感じさせますよね。
では、植物は一体どのようにして、大きく成長していくのでしょうか?
その秘密は、植物の体内にある「形成層」という部分にあります。
形成層は、人間で例えるならば、骨の成長軟骨に似た働きをすると言えます。
もちろん、全く同じ働きではありませんが、植物が大きく成長していくためには、この形成層が非常に重要な役割を担っているのです。
では、形成層は具体的にどのような働きをしているのでしょうか?
植物の茎や根を輪切りにしてみると、中心から外側に向かって、いくつかの層が重なっているのが観察できます。
その層の一つに、細胞分裂を活発に行う、非常に薄い層があります。
これが形成層です。
形成層は、内側に向かって細胞を分裂させることで、植物の中心部である木部を作ります。
木部は、根から吸収した水や養分を植物全体に送る、いわばパイプラインのような役割を担っています。
一方、形成層は外側に向かって細胞を分裂させることで、師部を作ります。
師部は、葉で作られた栄養分を植物全体に送る役割を担っています。
このように、形成層は内側と外側の両方に細胞を分裂させることで、植物を大きく成長させるために必要な組織を作り出しているのです。
形成層の働きによって、植物は水を吸い上げ、光合成を行い、栄養分を体全体に巡らせることができます。
まさに、形成層は植物の成長の要と言えるでしょう。