苗作りに温度変化を!夜冷育苗のススメ
- 夜冷育苗とは?夜冷育苗とは、夜間に苗の温度を意図的に下げることで、植物の生育をコントロールする育苗方法です。日中は太陽の光をたっぷり浴びさせて、通常の生育に適した温度で管理します。苗は太陽の光を浴びて、ぐんぐん成長していきます。しかし、夜は一転して気温がぐっと下がります。まるで寒い冬が来たと植物に錯覚させるように、夜間の温度を10度前後まで下げるのです。すると植物は「このままでは冬が来て枯れてしまう!」と危機感を覚えます。そして、子孫を残すために花を咲かせようと、体の中で様々な変化が起こり始めるのです。この変化こそが、夜冷育苗の目的である「花芽分化」です。花芽分化とは、植物の中で花を咲かせるための器官が作られることです。夜冷育苗によって花芽分化を促すことで、開花を早めたり、花数を増やしたりすることができます。また、厳しい環境を経験することで、より丈夫で病気に強い苗に育てる効果も期待できます。このように、夜冷育苗は植物にちょっとした試練を与えることで、より美しく、より丈夫に育て上げるための、昔ながらの知恵なのです。