植物を元気に育てる!接種の基礎知識
- 接種の役割とは?植物を育てる上で、健康な土壌は欠かせません。しかし、全ての土壌に植物の生育を助ける微生物が十分に存在するわけではありません。そこで活躍するのが「接種」です。接種とは、植物にとって有益な微生物や菌を、土壌や植物体に直接送り込む技術のことです。人間が健康のためにヨーグルトや納豆を食べるのと同じように、植物にとっても有益な微生物を摂取することは重要です。これらの微生物は、土壌中で栄養分の分解を助けたり、植物の根の成長を促進したり、病気の原因となる有害な菌の増殖を抑えたりするなど、様々な役割を担っています。接種には、大きく分けて「土壌接種」と「植物接種」の二つの方法があります。土壌接種は、種まきや植え付けの際に、有益な微生物を含む資材を土壌に混ぜ込む方法です。一方、植物接種は、種子や苗の段階で、有益な微生物を直接付着させる方法です。接種によって得られる効果は、使用する微生物の種類や植物の種類、土壌の状態などによって異なりますが、植物の生育促進、収量増加、病害抑制、肥料の使用量削減など、様々なメリットが期待できます。近年では、環境への負荷を低減する持続可能な農業への関心の高まりから、接種の技術はますます注目を集めています。