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抽苔を知って、美味しい野菜を育てよう!
- 抽苔とは? 春の暖かな日差しを浴びて、種からまいた野菜たちが元気に育っていく様子は、 gardening の醍醐味の一つと言えるでしょう。しかし、順調に育っていると思っていた野菜に、ある日突然、見慣れない茎が伸び始めることがあります。 この現象こそが「抽苔(ちゅうだい)」、または「とう立ち」と呼ばれるものです。まるで野菜が天に向かってぐんぐん伸びていくように見えることから、「薹(とう)が立つ」という言葉が使われています。 抽苔は、植物が子孫を残すために花を咲かせようとする、自然な反応です。気温や日長の変化を感じ取って、植物は花茎を伸ばし、花を咲かせ、種子を作ろうとします。特に、春先の暖かい気温と長い日照時間は、多くの野菜にとって抽苔のスイッチを入れる合図となります。 一般的に、葉物野菜や根菜類では、抽苔が始まると葉がかたくて苦くなったり、根が固くなってしまったりすることがあります。そのため、野菜本来の美味しさを楽しむためには、抽苔が始まる前に収穫するか、抽苔しにくい品種を選ぶなどの工夫が必要です。 -
春化の逆!?植物の不思議な離春化現象
- 春化とは植物が花を咲かせるためには、太陽の光を浴びる時間や気温など、様々な条件が必要です。その中でも、一定期間低い気温にさらされることで、花芽の形成を促す現象を「春化」といいます。多くの植物、特に冬の寒さを経験して春に花を咲かせる植物にとって、春化は重要なプロセスです。例えば、秋に種をまいた小麦は、冬の寒さを経験することで、翌春に花を咲かせ、実をつけます。これは春化のおかげです。もし、冬の寒さを経験せずに、暖かい場所に置かれたままだったら、小麦は花を咲かせることができません。春化に必要な低温の期間や温度は、植物の種類によって異なります。一般的に、0度から10度くらいの低い温度に、数週間から数ヶ月間さらされることで、春化が起こるとされています。春化のメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、植物ホルモンが関わっていると考えられています。低温にさらされることで、花芽形成を抑制するホルモンの働きが弱まり、反対に花芽形成を促進するホルモンが活性化されることで、春化が起こると考えられています。春化は、植物が厳しい冬の環境を乗り越え、暖かくなった春に花を咲かせるための、自然の巧妙な仕組みと言えるでしょう。 -
晩抽性:ゆっくりと花茎が伸びる性質とは?
- 晩抽性とは?植物が成長する過程で、花茎が伸びて花を咲かせる現象を「抽苔(ちゅうだい)」と呼びますが、この抽苔が起こるのが遅い性質を「晩抽性」と言います。 すべての植物に共通する性質ではなく、特に葉や根を食べる葉根菜類において、この晩抽性が重要視されます。一般的に、植物は子孫を残すために花を咲かせ、種子を作ります。そのために、花茎を伸ばして高く成長する必要があるのです。 しかし、私たちが食用とする葉根菜類の場合、花茎が伸びてしまうと葉や根が硬くなってしまい、食用には向かなくなってしまいます。例えば、ほうれん草を例に考えてみましょう。 ほうれん草は、花茎が伸びると葉が硬くなり、えぐみが増してしまいます。 逆に、花茎の成長が遅く、葉が柔らかい状態が長く続くほうが、収穫量も増え、長く楽しむことができます。このように、葉根菜類を栽培する上で、晩抽性を持つ品種を選ぶことは、収穫量や品質に大きく影響する重要な要素と言えるでしょう。 -
とう立ち対策で目指せ!美味しい野菜作り
- とう立ちとは?「とう立ち」とは、野菜などの植物が花茎を伸ばし、花を咲かせようとする成長段階を指します。植物にとっては、子孫を残すための自然な成長過程ですが、私たち人間にとっては、食用部分の品質を低下させるため、できるだけ避けたい現象です。特に、ほうれん草やレタスなど、葉を食べる野菜で顕著に現れます。とう立ちが始まると、植物のエネルギーは花茎や花へ集中するため、葉や根の成長が止まってしまいます。その結果、葉は硬くなり、食感が悪くなってしまいます。さらに、苦味やえぐみが増すことも多く、本来の風味が損なわれてしまうのです。これは、植物が種子を作るために、栄養を花茎や種子に集中させるために起こる現象です。とう立ちの原因は、主に気温の変化にあります。春に種をまいた野菜は、気温が上昇するにつれて成長しますが、一定の気温を超えると、植物は子孫を残すために花を咲かせようとするのです。品種改良によって、とう立ちしにくい品種も開発されていますが、それでも気温管理は重要です。とう立ちを防ぐためには、適切な時期に種まきをする、気温が上がりすぎないように注意する、肥料の量を調整するなどの対策が必要です。また、収穫時期を逃さないことも大切です。美味しさを保ったまま野菜を楽しむためにも、とう立ちへの理解を深め、適切な対策を講じていきましょう。 -
日の光と植物の不思議な関係:日長反応
植物は、ただ太陽の光を浴びて成長するだけではありません。人間には聞こえない太陽のリズムを聞き分け、まるで時計を持っているかのように、日の長さを感じ取り、自身の成長を調節する能力を持っています。これを「日長反応」と呼びます。 植物は、葉に含まれる「フィトクロム」という光受容体で、日の光を浴びる時間の長さを測っています。フィトクロムには、赤色光に反応するタイプと遠赤色光に反応するタイプの2種類があり、日中の太陽光の量によって、これらのフィトクロムは異なる状態に変化します。 そして、このフィトクロムの状態変化が、花芽形成や種子の発芽などをコントロールしているのです。まるで、太陽と植物の間には、私たちには見えない特別な会話が存在するかのようです。 例えば、日が短くなることを察知して花を咲かせる「短日植物」や、反対に日が長くなることを察知して花を咲かせる「長日植物」などがあります。 私たちが普段何気なく見ている植物たちも、太陽のリズムを敏感に感じ取りながら、一生懸命生きているのですね。
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