日の光と植物の不思議な関係:日長反応
植物は、ただ太陽の光を浴びて成長するだけではありません。人間には聞こえない太陽のリズムを聞き分け、まるで時計を持っているかのように、日の長さを感じ取り、自身の成長を調節する能力を持っています。これを「日長反応」と呼びます。
植物は、葉に含まれる「フィトクロム」という光受容体で、日の光を浴びる時間の長さを測っています。フィトクロムには、赤色光に反応するタイプと遠赤色光に反応するタイプの2種類があり、日中の太陽光の量によって、これらのフィトクロムは異なる状態に変化します。
そして、このフィトクロムの状態変化が、花芽形成や種子の発芽などをコントロールしているのです。まるで、太陽と植物の間には、私たちには見えない特別な会話が存在するかのようです。
例えば、日が短くなることを察知して花を咲かせる「短日植物」や、反対に日が長くなることを察知して花を咲かせる「長日植物」などがあります。
私たちが普段何気なく見ている植物たちも、太陽のリズムを敏感に感じ取りながら、一生懸命生きているのですね。