果物の甘さのひみつ:果肉ってなに?
私たちが普段何気なく「果物」と呼んでおいしく食べているもの。
実は、植物にとっては種子を包む大切な器官である「果実」の部分にあたります。
そして、私たちが果汁滴るおいしさとして味わっているのが「果肉」です。
果肉は、果実の中でも特に肉厚で水分を多く含む部分を指します。
りんごや梨のシャリシャリとした食感、ぶどうや桃のじゅわっと口に広がる果汁、どれも果肉がもたらすおいしさです。
果肉が甘くみずみずしい理由は、植物が子孫を残すための工夫にあります。
果実の中に種子を作り、それを果肉で包むことで、動物に食べてもらいやすくしているのです。
甘い香りに誘われた動物たちが果実を食べる時、一緒に種子も飲み込みます。
そして、種子は動物の体内で運ばれ、やがて糞と共に排出されることで、遠く離れた場所で発芽することができるのです。
このように、果肉は植物の知恵が詰まった、おいしくて大切な役割を持つ部分なのです。