根端分裂組織– tag –
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植物の成長を支える縁の下の力持ち:根冠
植物の根は、地中で複雑に張り巡らされ、水分や養分を吸収する大切な器官です。 根の先端には、「根冠」と呼ばれる、まるで帽子のような組織が存在します。一見、小さく目立たない存在に思える根冠ですが、実は、植物の成長にとって非常に重要な役割を担っています。 根冠の役割は、例えるならば、工事現場で働く「掘削機の先端にあるカッター」のようなものです。 根は、土壌の中を伸びていく際に、硬い石や小石など、様々な障害物に遭遇します。 根冠は、これらの障害物から、根の先端にある成長点を保護する役割を担っているのです。 根冠の細胞は、粘液を分泌することで、根が土壌の中をスムーズに伸びていくことができるように、潤滑油の役割も果たしています。 さらに、根冠は、重力を感じ取るセンサーとしての役割も担っており、植物が重力の方向に根を伸ばし、しっかりと根を張ることを助けていると考えられています。 もしも、根冠がなければ、根は土壌中の障害物によって傷つきやすく、正常に成長することができません。 根冠は、植物が健やかに育つために、縁の下の力持ちとして、重要な役割を担っていると言えるでしょう。 -
植物の成長を支える「成長点」
植物がぐんぐん大きくなる様子を見ていると、生命の力強さに感動しますよね。まるで魔法のように見えますが、もちろんちゃんと理由があります。植物が大きくなる秘密は、「成長点」と呼ばれる部分にあります。 成長点は、植物の茎や根の先端に存在する、細胞分裂が活発に行われている組織です。 例えるなら、植物の体を作る「工場」のような役割を担っています。工場では、材料を組み立てて製品を作りますが、成長点では、細胞分裂によって新しい細胞が次々と作られます。そして、この新しい細胞が増えていくことで、植物は大きく成長していくのです。 成長点は、常に新しい細胞を作り続けているため、とても繊細な部分です。もし、成長点が傷ついてしまうと、そこから先へは成長することができなくなってしまいます。そのため、植物は、成長点を保護するために、葉で覆ったり、硬い組織で包んだりと、様々な工夫を凝らしています。 私達が普段何気なく見ている植物の姿は、実は、成長点の働きによって支えられているのです。
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