植物の繁殖– tag –
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花を咲かせよう!知って得する「柱頭」の話
私たちを和ませてくれる色とりどりの花。その美しさに目を奪われがちですが、花の中心には、小さくても大切な役割を担う器官が隠されています。それが「めしべ」と「おしべ」です。 まるで花の中心にそびえ立つ塔のように見えるのが「めしべ」です。先端部分は「柱頭」と呼ばれ、花粉を受け取るための大切な場所です。その下には「花柱」があり、花粉を根元にある「子房」へと導きます。子房の中には、将来種子となる「胚珠」が入っています。 一方、「おしべ」は、細長い糸のような「花糸」と、その先端にある「葯」からできています。葯の中には花粉がたくさん詰まっており、花粉は虫や風によって運ばれ、「めしべ」の柱頭にたどり着きます。 「めしべ」と「おしべ」、この二つは植物が子孫を残すための重要な器官であり、花が咲かせる命の結晶とも言えるでしょう。普段何気なく見ている花も、中心に目を向けてみると、また違った一面が見えてくるかもしれません。 -
同じ花には受粉しない?自家不和合性の謎
- 植物の巧みな戦略 植物が色鮮やかな花を咲かせ、甘い香りを漂わせるのは、子孫を残すため、つまり種子を作るためです。多くの植物は、同じ種類の花の花粉がめしべの先につくことで受粉し、種子を作ります。これを「自家受粉」と呼びます。 しかし、中には自家受粉では種子ができない、つまり「自家不和合性」という性質を持つ植物もいます。自家不和合性とは、自分自身の花粉を拒絶し、他の個体の花粉と受粉しようとする性質のことです。まるで他の花を選んで受粉しているように見えることから、「植物の結婚」とも呼ばれています。 では、なぜ植物はわざわざ他の個体の花粉を選んで受粉するのでしょうか?それは、より多様な遺伝子を持つ子孫を残すためです。自家受粉の場合、親と同じ遺伝子を持つ子孫しかできませんが、他の個体と受粉すれば、両親の遺伝子が組み合わさり、より多様な遺伝子を持つ子孫が生まれます。 環境の変化や病気の発生など、予測できない事態が起こったとしても、多様な遺伝子を持つ子孫がいれば、環境に適応し、生き残る可能性が高まります。 自家不和合性という性質は、植物が長い年月をかけて獲得した、子孫を繁栄させるための巧みな戦略なのです。 -
自家受精:植物の繁殖の巧みな戦略
- 自家受精とは自家受精とは、植物が自ら花粉を作り、その花粉で受精を行うことを指します。 ひとつの花の中に、花粉を作る雄しべと、種子を作る雌しべの両方を持つ植物の場合、自分の花粉が同じ花の雌しべにくっつくことで受精が成立します。このような受精の仕方を自家受精と呼びます。一方、他の花の花粉が運ばれてきて受精することを他家受精と言います。 自家受精と他家受精は、どちらも植物の繁殖方法として重要な役割を果たしています。自家受精のメリットとしては、周囲に同じ種類の植物が少なくても繁殖できることが挙げられます。また、昆虫などの助けを借りずに受粉できるため、天候に左右されにくいという利点もあります。しかし、自家受精には欠点も存在します。自家受精を繰り返すと、遺伝子の多様性が失われ、環境の変化に弱くなる可能性があります。病気や害虫に対する抵抗力が弱くなってしまう可能性も考えられます。自然界では、自家受精と他家受精を上手に使い分けることで、植物は子孫を残しています。
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