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植物を育てる上で知っておきたい『生理障害』
- 生理障害とは 家庭菜園で野菜や花を育てていると、害虫や病気の被害以外に、一見原因が分からず生育が悪くなったり、果実の形が変わってしまったりする現象に遭遇することがあります。このような現象の中には、植物の体内で起こる生理的な原因によって引き起こされる「生理障害」と呼ばれるものがあります。 植物も私たち人間と同じように、健康に育つためには、水や太陽の光だけでなく、窒素やリン酸、カリウムなどの養分をバランス良く吸収する必要があります。しかし、土壌の状態や栽培環境によっては、植物がこれらの養分をうまく吸収できなくなることがあります。例えば、土壌中の水分が過剰になると根が酸素不足を起こし、養分の吸収が阻害されます。反対に、乾燥が続くと、根が傷み、やはり養分を吸収することが難しくなります。 また、特定の養分が不足したり、過剰になったりすることも、植物の生育に悪影響を与えます。例えば、窒素が不足すると葉の色が薄くなったり、生育が遅れたりします。一方、窒素肥料を与えすぎると、植物は軟弱に育ち、病害虫に侵されやすくなってしまいます。 このように、生理障害は、根が養分をうまく吸収できない状態や、特定の養分の不足、あるいは過剰によって引き起こされます。生理障害は、その症状も原因もさまざまです。日頃から植物をよく観察し、早期に異変に気づくことが大切です。 -
意外と知らない?植物とイオウの関係
植物が元気に育つためには、水や太陽の光はもちろんのこと、土壌から吸収する栄養素も必要不可欠です。植物が必要とする栄養素は多岐に渡りますが、中でも特に重要なのが窒素、リン酸、カリウムの三大栄養素です。これらの栄養素は肥料の成分表示にも必ず記載されており、植物の生育に欠かせない要素として広く知られています。 これらの主要な栄養素に加えて、植物の成長に密接に関わる重要な栄養素として、イオウがあります。イオウは植物の体内でタンパク質を構成するアミノ酸の一部として利用されます。人間にとってタンパク質が体の組織や器官を構成する重要な成分であるのと同様に、植物にとってもタンパク質は欠かせません。そして、そのタンパク質を作るためにイオウは必要不可欠なのです。 イオウは植物の光合成にも深く関わっています。光合成は、植物が太陽の光エネルギーを使って、水と二酸化炭素から栄養分を作り出す過程ですが、この過程において重要な役割を担う葉緑素にもイオウは含まれています。葉緑素は太陽の光を吸収するために必要不可欠な成分であり、イオウが不足すると葉緑素の生成が阻害され、光合成の効率が低下してしまいます。その結果、植物は生育に必要な栄養分を十分に作り出すことができず、成長が阻害されてしまうのです。 このように、イオウは植物にとって、タンパク質の合成、そして光合成という重要な働きを担っています。植物が健やかに成長していくためには、他の栄養素と同様に、土壌中に適切な量のイオウが含まれていることが重要です。 -
植物からのサインを見逃さないで!苦土欠乏症とその対策
植物が元気に育つためには、水や太陽光に加えて、土壌から吸収する様々な栄養素が欠かせません。これらの栄養素は、植物の体を作る基本的な成分となるだけでなく、様々な生理機能を円滑に進めるために必要不可欠です。 これらの栄養素のうち、植物の生育に特に重要な役割を担っているのがマグネシウムです。マグネシウムは、植物が光合成を行うために必要な葉緑素という色素の重要な構成要素です。葉緑素は、太陽の光エネルギーを吸収し、植物が利用できる形に変換する役割を担っています。つまり、マグネシウムが不足すると、植物は光合成を効率的に行うことができなくなり、生育に悪影響が生じます。 土壌中に含まれるマグネシウムは、土壌の酸性度や、他の栄養素とのバランスによって、植物が吸収しにくい場合があります。このような土壌で植物を育てると、マグネシウムが不足し、葉が黄色く変色したり、生育が遅れたりする症状が現れます。これを「苦土欠乏症」と呼びます。苦土欠乏症は、植物の生育を著しく阻害する可能性があるため、注意が必要です。
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