倍数性育種:植物の力を引き出す技術
- 倍数性育種とは
生物は、通常、両親から受け継いだ染色体を細胞の中に2セットずつ持っています。これを2倍体と呼びます。例えば、私たち人間も2倍体です。
倍数性育種とは、人工的にこの染色体のセット数を増やすことで、植物に新しい性質を与える育種技術です。染色体のセット数を2倍にすれば4倍体、3倍にすれば6倍体と呼びます。
倍数体植物は、2倍体の植物と比べて、草姿が大きくなったり、花や実が大きくなったり、環境ストレスに対する抵抗性が強くなったりと、様々な変化が現れることがあります。これらの特性を利用することで、従来の品種よりも優れた性質を持つ新しい品種を育成することができます。
例えば、種なしブドウは、倍数性育種技術によって育成された代表的な品種です。倍数性育種は、果樹、花卉、野菜など、様々な作物の品種改良に利用されており、私たちの食卓を豊かにする上で、重要な役割を担っています。