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園芸の強い味方!フレームの効果と使い方
- フレームとは?フレームとは、植物を育てる際に、周囲を囲ってあげる簡易的な設備のことです。ちょうど、温室を小さくしたようなものをイメージすると分かりやすいかもしれません。 主に、苗を育てる時期や冬の寒さから植物を守る際に使用されます。フレームの構造はいたってシンプルです。 木材や竹などの身近な材料で枠組みを作り、その上にビニールシートや農業用ビニールを張るだけです。 これにより、内部の温度を一定に保ち、植物の生育に適した環境を作り出すことができます。フレームには、大きく分けて二つのメリットがあります。 一つ目は、保温効果です。 ビニールやシートで覆うことで、太陽の光を内部に閉じ込め、温室のように暖かくなります。 特に、気温が低く、植物が育ちにくい時期には非常に効果的です。 二つ目は、風雨から守る効果です。 強風や豪雨、雹などから、大切な植物を守ることができます。フレームは、ホームセンターなどで既製品を購入することもできますが、 材料さえ揃えれば、自分で簡単に作ることができます。 自分の育てたい植物や設置場所の広さに合わせて、自由にサイズや形を調整できるのも魅力の一つです。 -
電熱温床で始める春の園芸
- 電熱温床とは 電熱温床とは、電気の力を利用して苗床を温める設備のことです。まるで電気カーペットのように、土壌に直接熱を伝えることで温かさを保ちます。 温床の下には電熱線が敷かれており、電気を流すことで熱が発生する仕組みです。この熱が土壌に直接伝わるため、従来の温床に比べて効率的に植物の生育を促すことができます。 電熱温床の大きなメリットは、温度管理の容易さにあります。温度調節機能が付いているため、天候に左右されることなく、常に最適な温度で植物を育てることが可能です。また、設置場所を選ばない点も魅力の一つです。 従来の温床では、燃料を燃やして温める方法が一般的でしたが、電熱温床は電気を使用するため、燃料の補給や煙の処理などの手間が省けます。さらに、二酸化炭素の排出量を抑えることができるため、環境にも優しい点が注目されています。 -
苗作りに最適!ピート鉢を使いこなそう
- ピート鉢とは?ピート鉢とは、植物を育てるための鉢の一種で、その名の通りピートを主原料としています。では、ピートとは一体どんなものでしょうか? ピートは、寒冷地の湿地帯に堆積した植物遺骸が、長い年月をかけて完全に分解されずに積み重なってできた泥炭のことを指します。 水はけの悪い湿地帯では、植物が枯れても微生物による分解が進みにくいため、このような独特な土壌が形成されるのです。ピートは、ガーデニングの世界で重宝される多くの利点を持っています。まず、非常に軽く、持ち運びが容易であることが挙げられます。 また、保水性と通気性に優れている点も大きな魅力です。 保水性に優れているため、水やりの回数を減らすことができ、植物の根腐れを防ぐ効果も期待できます。 一方で、通気性にも優れているため、植物の根に十分な酸素を供給することができます。これらの特徴から、ピートは特にデリケートな苗を育てるのに適した素材として、広く利用されています。ピート鉢は、ピートの優れた特性を活かして作られた、植物栽培に適した鉢なのです。 -
苗づくりの要!良い床土の作り方
- 床土とは?植物を育てる上で、土選びは大切な要素の一つです。種まきや苗の育成に適した土のことを、特に「床土」と呼びます。では、床土はどのような土なのでしょうか?-# 床土とは?床土とは、種まきや苗を育てるための、いわば植物のベッドとなる土のことです。生まれたばかりの植物の赤ちゃんが、すくすくと育つためには、快適な環境が必要です。そのため、床土にはいくつかの重要な条件があります。まず、水はけの良さが挙げられます。水はけが悪いと、根が呼吸できずに腐ってしまい、植物はうまく育ちません。次に、適度な空気を含むことも重要です。土の中に空気の通り道がないと、やはり根が酸欠状態になってしまいます。そして、植物の成長に必要な栄養が豊富に含まれていることも大切です。これらの条件を満たした床土は、市販されています。手軽に良質な土を手に入れることができますが、自分で作ることも可能です。自作する場合には、赤玉土や腐葉土などを混ぜ合わせて作ります。配合を変えることで、育てる植物に最適な土を作ることができるのも、自作の魅力と言えるでしょう。床土は、植物を育てる上で非常に重要な役割を担っています。適切な床土を選ぶことで、植物の健やかな成長をサポートしましょう。 -
ハウス育苗で苗作りを成功させよう!
- ハウス育苗とは? ハウス育苗とは、その名の通り、ビニールハウスなどの施設を利用して苗を育てる方法です。 屋外で行う露地育苗とは異なり、ハウス内では気温や湿度、光量などを植物の生育に最適な状態に調整することができます。 このため、天候に左右されずに苗を育てることができ、発芽率の向上や生育の促進、病害虫のリスク軽減などのメリットがあります。 特に、気温が低く、日照時間の短い冬場でも、ハウス内では植物の生育に適した環境を保つことができるため、露地育苗では難しい時期に苗作りを始められるという大きな利点があります。 また、ハウス育苗は、生育環境を均一に保ちやすいため、品質の揃った苗を効率的に生産できるというメリットもあります。 このように、ハウス育苗は、より確実かつ健やかに苗を育てるための技術として、広く普及しています。 -
直播き:種から始めるガーデニング
- 直播きとは? 直播きとは、野菜や花を育てる際、苗を育てる段階を踏まずに、種を直接畑やプランターなどの生育場所に蒔く栽培方法のことを言います。 通常、園芸店などで販売されている植物の多くは苗の状態ですが、実はこれらの植物の中にも、種から直接植え付けられるものがたくさんあります。 直播きの一番の魅力は、苗を育てる手間が省けるという点にあります。苗を育てるためには、種まきから間引き、植え替えなど、多くの時間と労力を必要とします。しかし、直播きであれば、これらの作業を大幅に省略することができます。 また、直播きされた植物は、環境の変化にさらされることなく、その場所で発芽し成長するため、根をしっかりと張ることができ、より健やかに育つという利点もあります。さらに、苗を植え付ける際に起こる根の損傷がないため、生育がスムーズになることも期待できます。 ただし、直播きにも注意すべき点があります。それは、発芽率や初期生育の管理が、苗に比べて難しいという点です。 直播きは、適切な時期や方法で行うことで、苗作りよりも手軽に、そして丈夫な植物を育てることができる魅力的な栽培方法です。 -
露地床育苗:太陽と土の力を借りて苗を育てる
- 露地床育苗とは露地床育苗とは、その名の通り、雨風や日光に直接さらされる畑の一区画を苗床として利用し、植物を育てる方法です。ハウスや温室などの施設を利用する施設栽培とは異なり、自然の力を最大限に活用するのが露地床育苗の特徴です。太陽の光をふんだんに浴びて育つ苗は、茎が太く丈夫に育ち、環境の変化にも強い傾向があります。そのため、露地床育苗で育てた苗は、その後の生育も順調な場合が多いです。 また、風雨にさらされることで、植物は自然と強くなり、病害虫への抵抗力も高まります。露地床育苗は、施設栽培に比べてコストを抑えられるというメリットもあります。施設の建設や維持管理に費用がかからず、暖房などのエネルギーも必要ありません。ただし、気候に左右されやすく、特に霜や冷害などの影響を受けやすいという側面もあります。そのため、地域や気候条件によっては、適切な対策を講じる必要があります。露地床育苗は、伝統的な育苗方法であり、自然の力を活かして丈夫な苗を育てることができます。コストを抑えながら、環境にも優しい育苗方法として、今後も注目されていくでしょう。 -
連結ポットで苗作りをもっと楽しく!
- 連結ポットとは?連結ポットとは、文字通り複数の小さな植木鉢が一つにつながった、植物を育てるための容器です。連結されているため、個別に植木鉢を扱うよりも、水やりや肥料やり、移動などの作業が一度に効率的に行えるという利点があります。また、スペースを有効活用できる点も魅力です。一般的には、種まきから苗がある程度の大きさになるまでの間、一時的に使用されることが多いです。連結ポットは、主にプラスチック製のものが主流ですが、中には、ピートモスや紙などの自然素材で作られた、土に還元できる環境に優しい製品も販売されています。素材によって、耐久性や通気性、水はけなどが異なるため、育てる植物や栽培環境に合わせて選ぶとよいでしょう。連結ポットは、苗を育てるスペースが限られている場合や、一度に多くの種類の植物を育てたい場合に特に便利です。また、苗の植え替え時に根を傷つけにくいというメリットもあり、植物の生育をスムーズに進めることができます。手軽に園芸を楽しみたい初心者の方にもおすすめのアイテムです。 -
種から育てる楽しみ:種子系植物の魅力
- 種子系とは? 園芸の世界では、植物を増やす方法はおおまかに二つに分けられます。一つは、挿し木や株分けなど、植物の一部から増やす方法です。そしてもう一つが、種から育てる「種子系」という方法です。別名「実生系」とも呼ばれ、文字通り種を蒔き、芽吹く力強さを感じられるのが魅力です。 種子系は、親植物と全く同じ花を咲かせるわけではないという特徴があります。これは、種子が親世代の遺伝情報を受け継ぐ際に、様々な組み合わせが生じるためです。例えば、赤い花を咲かせる植物から採取した種を蒔いても、白い花やピンクの花が咲く可能性もあるのです。このような、親とは異なる特徴を持つ植物が現れることを「変異」と呼びます。変異は、時に予想外の美しい花や、より丈夫な性質を持つ植物を生み出すこともあります。 一方で、挿し木や株分けといった方法は、親植物と全く同じ遺伝情報を持つクローンを作るため、親と同じ花を咲かせます。そのため、同じ品種を安定して増やしたい場合は、挿し木などが適しています。 種子系は、予想外の変化を楽しむワクワク感と、世界に一つだけの植物を育てる喜びを与えてくれます。園芸の奥深さを体験できる方法と言えるでしょう。 -
発芽の力強さ:冷床育苗のススメ
- 冷床育苗とは冷床育苗とは、加温装置などを使わずに太陽の熱だけで苗を育てる方法です。一般的には、苗床を保温効果のあるもので覆い、その中で種を蒔いて発芽させます。温床育苗のように燃料や電気を使って人工的に温度管理をする必要がないため、環境に優しく、手間もコストも抑えられます。-# 自然の力を活かした育苗冷床育苗は、太陽の光を最大限に活用することで苗を育てます。日中は太陽の光を浴びて苗床内の温度が上がり、夜間は外気の影響を受けてゆっくりと温度が下がります。この緩やかな温度変化が、植物の自然な生育リズムに合致しており、丈夫で根張りの良い苗を育てることに繋がります。-# 冷床育苗に適した植物冷床育苗は、比較的寒さに強い野菜の栽培に適しています。例えば、レタスやキャベツ、ブロッコリーなどの葉物野菜、大根やカブなどの根菜類、パンジーやビオラなどの花苗などが挙げられます。これらの植物は、低い温度でも発芽しやすく、ゆっくりと育てることでより健やかに成長します。-# 冷床育苗のメリット* 環境に優しい* コストがかからない* 丈夫な苗が育つ* 自然と触れ合える冷床育苗は、自然の力を借りて苗を育てる、昔ながらの知恵が詰まった方法です。手間暇かけて育てた苗から育つ野菜や花は、格別の喜びを与えてくれるでしょう。 -
ソイルブロックのススメ
- ソイルブロックとは ソイルブロックとは、苗を育てるための土を四角く固めたものです。 従来の苗作りでは、プラスチックやビニールのポットが使われてきました。しかし、ソイルブロックはこれらの容器を一切使いません。 土を固めるために特殊な型が使われますが、苗を植え付ける際には、この型から取り出してそのまま畑やプランターに植えることができます。 この画期的な方法は、「練り床育苗」と呼ばれ、近年注目を集めています。 ソイルブロックには、従来の育苗ポットと比べて多くの利点があります。 まず、プラスチックごみが出ないため、環境に優しいことが挙げられます。 また、育苗ポットのように繰り返し使用したり、保管したりする必要がないため、コスト削減にもつながります。 さらに、ソイルブロックは土そのものでできているため、苗の根が伸びるのを邪魔しません。 従来の育苗ポットでは、根が容器の内側に巻き付く「根巻き」という現象が起こることがありました。 根巻きが起こると、苗の生育が阻害されるだけでなく、植え替えの際に根を傷つけてしまう可能性もあります。 その点、ソイルブロックなら根が健全に育ち、植物の生育をスムーズにすることができるのです。 このように、環境にも経済的にも優しく、植物の生育にも良い影響を与えるソイルブロックは、まさに次世代の育苗方法と言えるでしょう。 -
初心者も安心!セル培土で苗作り
- セル培土とは? セル培土とは、植物を育てるための土を小さな容器に詰めたもので、種まきや苗作りに最適です。セルと呼ばれるこの容器は、苗を育てるのにちょうど良いサイズに作られています。 従来の苗作りでは、広い場所に土を敷いて種を蒔き、間引きながら育てていました。しかしセル培土を使うことで、限られたスペースでも多くの苗を効率的に育てることができます。それぞれのセルが独立しているので、根が絡まりにくく、植え替えの際にも根を傷つけずにスムーズに行えます。 セル培土には、種まきから植え付けまでの間、苗を健やかに育てるための様々な工夫が凝縮されています。例えば、種がスムーズに発芽するように、肥料を抑えめに配合していたり、病気から苗を守るために、あらかじめ消毒処理が施されているものもあります。また、水はけと通気性を良くするために、ピートモスやバーミキュライトなどの素材がブレンドされていることも特徴です。 このように、セル培土は、初心者から経験者まで、誰でも手軽に苗作りを楽しめるように開発された、まさに「苗作りの強い味方」と言えるでしょう。 -
セル成型育苗:効率的な苗作りとは?
- セル成型育苗とは セル成型育苗は、苗を育てるための新しい技術です。従来の育苗方法は、広い場所に土を敷き詰めて種をまく方法が主流でした。しかし、セル成型育苗では、小さな区画に区切られた専用の容器(セル成型トレー)を使用します。このセル成型トレーには、苗の生育に適した土が入っており、苗を効率的に育てることができます。セル成型育苗は、セル育苗やプラグ育苗とも呼ばれ、近年多くの農家で採用されています。 セル成型育苗の最大の利点は、苗の生育を均一化できることです。セル成型トレーの各区画は、それぞれ独立した空間となっているため、苗同士が competition することを防ぐことができます。また、水や肥料も均一に供給されるため、すべての苗を健全に育てることが可能です。 さらに、セル成型育苗は、移植作業の効率化にもつながります。セル成型トレーから苗を取り出す際には、根を傷つけることなく、簡単に取り出すことができます。そのため、移植作業にかかる時間と労力を大幅に削減することができます。 このように、セル成型育苗は、従来の育苗方法と比べて、多くの利点があります。苗の品質向上、作業効率の向上、省力化など、多くのメリットがあるため、今後もますます普及していくことが予想されます。 -
園芸の強い味方!セル形成苗のススメ
- セル形成苗とは? セル形成苗とは、苗を育てる際に「セルトレイ」という、小さな部屋がいくつも並んだ特殊な容器を使用する方法で育てられた苗のことを指します。従来の育苗箱に比べて、苗を植え替える際に根を傷つけずに済むという利点があります。 従来の育苗方法では、苗が成長するにつれて根が絡まり合い、植え替えの際に根を傷つけてしまうことがありました。しかし、セル形成苗では、苗一本一本が独立した空間で育つため、根が絡まることなく、植え替えの際に根を傷つけずに済みます。 また、セル形成苗は、苗の生育段階に合わせて、セルの大きさを変えることができるのも利点です。小さな苗のうちは小さなセルで育て、大きく成長するにつれて大きなセルに移植することで、苗の生育を促進することができます。 このように、セル形成苗は、従来の育苗方法に比べて、根を傷つけずに移植できる、苗の生育段階に合わせてセルの大きさを変えられるなど、多くの利点があります。そのため、近年では、多くの農家や園芸愛好家に利用されています。 -
セルトレイで苗作りを始めよう!
- セルトレイとは? セルトレイは、連結された小さな容器がいくつも並んだトレーで、種まきから苗を育てるのに最適な道具です。一つ一つの容器は「セル」と呼ばれ、まるでアパートのように、苗を一つずつ個室で育てられます。 このセル構造には、苗を健やかに育てるための工夫が詰まっています。苗を個別に管理することで、水やりの際に水がまんべんなく行き渡り、根腐れのリスクを減らすことができます。また、苗同士の生育競争を抑え、それぞれの苗が十分な日光と栄養を吸収できるのも大きなメリットです。 さらに、セルトレイを使う最大の利点は、移植の際の根へのダメージを最小限に抑えられることです。従来の育苗方法では、苗の根が絡み合ってしまい、植え替え時に根を傷つけてしまうことがありました。しかし、セルトレイを用いれば、セルごとに苗を育てられるため、根を傷つけずに簡単に移植することができます。 このように、セルトレイは、初心者からベテランまで、あらゆる園芸愛好家にとって心強い味方となるアイテムと言えるでしょう。 -
植物を育てる第一歩!仕立鉢のススメ
- 仕立鉢とは仕立鉢とは、鉢植えで植物を育てる際に使用する、一時的な住まいとなる鉢のことです。種から育てたばかりの小さな苗や、挿し木で増やしたばかりの苗を、最終的に植えたい鉢に植えるまでの間、この仕立鉢で育てます。最終的に植えたい鉢に比べて、仕立鉢は小さめに作られています。 なぜなら、植物の成長に合わせて鉢を大きくしていくことで、植物の根が健やかに育つからです。小さな鉢に植えたばかりの頃は、根が張るスペースも限られています。そのため、鉢の中の土は水分を含みやすく、乾燥しにくい状態です。しかし、植物が成長し、根が十分に張った後に同じ鉢のまま育て続けると、根詰まりを起こしやすくなります。根詰まりとは、鉢の中が根でいっぱいになり、水はけや通気性が悪くなることです。根詰まりを起こすと、植物は水を吸い上げにくくなり、生育不良や枯死の原因となります。そこで、仕立鉢の出番です。植物の成長に合わせて、段階的に大きな仕立鉢に植え替えていくことで、根詰まりを防ぎながら、根をしっかりと張らせることができます。そして、十分に成長した段階で、最終的な鉢へと植え替えます。このように、仕立鉢は、植物を大きく、丈夫に育てるための、いわば苗の育成段階における重要な役割を担っています。 -
種まきから始まる園芸ライフ:シードパンのススメ
春の足音が聞こえてくると、色鮮やかな花々で庭を彩りたい気持ちがむくむくと湧いてきますよね。 そんな願いを叶えるには、種から植物を育てるのがおすすめです。 小さな種から芽が出て、すくすくと育つ喜びを、五感で感じられるのが種まきから始める園芸の魅力です。 今回は、種まきを成功させるための必須アイテム、「種まき用のトレー」をご紹介します。 種まき用のトレーは、小さな種をまくのに最適な大きさの浅い容器です。 複数の種類を一度に蒔きたい場合や、発芽率があまり高くない種を蒔く場合に特に役立ちます。 種まき用のトレーを使う一番の利点は、苗の管理がしやすいことです。 一つのトレーで複数の種類の苗を育てられるので、水やりや置き場所の管理が楽になります。 また、トレーごと移動できるので、天候や気温に合わせて最適な環境に置くことができます。 さらに、種まき用のトレーは、苗の移植にも便利です。 トレーで育てた苗は根を傷つけずに簡単に取り出すことができるので、移植の際のダメージを最小限に抑えられます。 種まき用のトレーは、園芸店やホームセンター、インターネットなどで購入できます。 素材もプラスチック製や紙製など、さまざまな種類がありますので、用途に合わせてお好みのものを選んでみてください。 種まきから始まる園芸は、植物の成長を間近で見守ることができる、特別な体験をもたらします。 種まき用のトレーを使って、あなたも豊かな園芸ライフを始めてみませんか? -
苗作りに温度変化を!夜冷育苗のススメ
- 夜冷育苗とは?夜冷育苗とは、夜間に苗の温度を意図的に下げることで、植物の生育をコントロールする育苗方法です。日中は太陽の光をたっぷり浴びさせて、通常の生育に適した温度で管理します。苗は太陽の光を浴びて、ぐんぐん成長していきます。しかし、夜は一転して気温がぐっと下がります。まるで寒い冬が来たと植物に錯覚させるように、夜間の温度を10度前後まで下げるのです。すると植物は「このままでは冬が来て枯れてしまう!」と危機感を覚えます。そして、子孫を残すために花を咲かせようと、体の中で様々な変化が起こり始めるのです。この変化こそが、夜冷育苗の目的である「花芽分化」です。花芽分化とは、植物の中で花を咲かせるための器官が作られることです。夜冷育苗によって花芽分化を促すことで、開花を早めたり、花数を増やしたりすることができます。また、厳しい環境を経験することで、より丈夫で病気に強い苗に育てる効果も期待できます。このように、夜冷育苗は植物にちょっとした試練を与えることで、より美しく、より丈夫に育て上げるための、昔ながらの知恵なのです。 -
園芸の基礎知識:仮植えのススメ
- 仮植えとは? 「仮植え」とは、文字通り苗を一時的に植える作業のことです。最終的に植物を育てる場所を決めて植えることを「定植」といいますが、種から育てた苗や、ポットに入った状態で販売されている苗などを、すぐに定植するのではなく、一度別の場所に植えて、植物の生育を助けることをいいます。 例えば、小さな育苗ポットに種をまいて育てた苗は、根詰まりを起こしやすいため、ある程度の大きさになったら、より大きなプランターや地面に植え替える必要があります。その際、いきなり最終的な場所に植えるのではなく、一度一回り大きなポットに植え替えることがあります。 このように、最終的な場所へ植え替えるまでの一時的な植え替え場所としての役割を担うのが「仮植え」です。 仮植えをすることで、植物の根がしっかりと張り、より丈夫に育てることができます。また、植物の生育段階や気候に合わせて、適切な環境で管理できるというメリットもあります。 -
温床育苗:苗づくりの基礎知識
- 温床育苗とは温床育苗とは、文字通り苗を育てるための温かいベッドのような場所を作り、苗を育てる技術のことです。植物の成長には適切な温度が不可欠ですが、特に種から発芽したばかりの苗は、寒さに弱く、気温の変化に大きく影響を受けます。そこで、苗の生育に適した温度を人工的に保つことができる温床育苗が有効となります。具体的な方法としては、まず地面に木材やレンガなどを使い、高さ数十センチほどの枠を作ります。そして、その枠の上にビニール製のトンネルを設置します。このビニール製のトンネルが、温室のような役割を果たし、内部の温度を一定に保つとともに、雨や風から苗を守ってくれます。温床の内部を温めるためには、昔ながらの方法として、米ぬかや落ち葉などを混ぜて発酵させた「醸熱材料」と呼ばれるものを使用します。これらの材料は、微生物の活動によって発酵熱を発生させるため、電気やガスなどのエネルギーを使わずに温床内の温度を上げることができます。最近では、より効率的に温度管理ができる電熱ヒーターなどが用いられることも多くなっています。温床育苗の最大のメリットは、外の気温に左右されることなく、苗を育てることができる点です。そのため、寒冷地や早春、晩秋など、通常の環境では苗作りが難しい時期でも、温床育苗を用いることで、元気に丈夫に育った苗を育てることができます。 -
早熟栽培で収穫を早めよう!
- 早熟栽培とは?早熟栽培とは、植物を育てる際に、種まきから苗の段階までを温室内で行い、その後はトンネルや露地に移植して栽培する方法です。一般的に、植物の生育には適切な温度環境が必要となります。特に、種まきから苗の段階はデリケートな時期であり、低温や乾燥などの悪条件にさらされると、生育が遅れたり、枯れてしまったりすることがあります。そこで、早熟栽培では、温床と呼ばれる施設を利用します。温床とは、加温装置などを用いて苗の生育に適した温度環境を人工的に作り出した場所のことです。温床内では、太陽光を遮断するカーテンや、湿度を保つための散水装置などが設置されている場合もあり、苗の生育に最適な環境が整えられています。早熟栽培では、この温床で苗の時期だけを温度管理された環境で育てることで、通常の栽培よりも生育を早めることができます。その結果、収穫時期を早めたり、収穫量を増やしたりすることが可能となります。また、露地栽培では難しい時期に作物を育てることもできるため、一年を通して安定した収穫を目指せるというメリットもあります。 -
押さえ床育苗:均一で健やかな苗作り
押さえ床育苗とは 押さえ床育苗とは 押さえ床育苗は、練り床育苗を少し変えた方法で、苗を育てる技術です。 まず、苗を育てるための枠を用意し、その中に種をまくための土を、厚さが均一になるように敷き詰めます。 土を入れたら、全体に水を均等にまいていきます。この時、土が水を含んで沈んでいくのを確認しながら、何度かに分けて水やりをするのがポイントです。 水やりが終わったら、土の表面を平らにならしていきます。 練り床育苗との違いは、この時に土を上から押さえつけるようにして、表面を固く仕上げる点です。 その後、種をまく場所を決めて、土に浅く切り込みを入れていきます。この作業をブロッキングといい、種を等間隔にまく目安になります。 ブロッキングが完了したら、準備しておいた種を丁寧にまいていきます。 -
素焼き鉢:伝統的な素材で植物を育てる
- 素焼き鉢とは素焼き鉢とは、その名の通り粘土を高温で焼いて作られた植木鉢のことです。まるでレンガのような、温かみのある色合いから「テラコッタ」と呼ばれることもあります。素朴な見た目と、植物との相性の良さから、多くの園芸愛好家に愛用されています。 素焼き鉢の特徴は何と言っても、その優れた通気性と吸水性に 있습니다。700度から900度という高温で焼き上げることで、表面には目に見えないほどの小さな穴が無数に生まれます。 この無数の穴が、鉢の中の空気を循環させ、土の中の余分な水分を吸収する ので、植物の根腐れを防ぎ、健やかな成長を促してくれるのです。 また、素焼き鉢は、化学肥料や農薬を使わない自然なガーデニング にも最適です。自然素材だけで作られているため、環境にも優しく、土に還元することも可能です。使い込むほどに味わいが増し、独特の風合いを楽しめるのも魅力の一つと言えるでしょう。 -
進化する育苗:閉鎖型苗生産システムとは?
- 閉鎖型苗生産システムその全貌 閉鎖型苗生産システムとは、その名の通り、苗の生育環境を完全にコントロールできるシステムです。従来の屋外や簡易的なビニールハウスで行う栽培とは異なり、温度、湿度、光、二酸化炭素濃度といった生育に必要な要素を、コンピューター制御によって緻密に調整します。これはまるで、苗のために最適な環境を備えた特別室を用意するようなものです。 このシステムの最大のメリットは、苗の生育スピードを飛躍的に向上させられる点にあります。太陽光に頼らず、最適な光を人工的に当てることで、天候に左右されることなく、一年を通して安定した生育が可能になります。さらに、温度や湿度も常に適切な状態に保たれるため、生育が促進され、従来よりも短期間でより多くの苗を育てることができます。 また、閉鎖型システムは、外部環境から隔離されているため、病気や害虫の侵入リスクを大幅に抑えることができます。農薬の使用量を減らせるだけでなく、より安全な苗を生産できるという点も大きな魅力です。そして、均一な環境下で生育されるため、品質のばらつきが少なく、大きさや形が揃った高品質な苗を安定供給できるというメリットもあります。
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