植物を支える力:膨圧の秘密
- 植物の力強い秘密
動物のように骨格を持たない植物は、どのようにしてその体を支え、風雨に耐えているのでしょうか?その秘密は、植物細胞の中に隠された「膨圧」と呼ばれる力強い仕組みにあります。
植物の細胞の一つ一つは、細胞壁と呼ばれる丈夫な壁で囲まれています。そして、細胞の中には水分を蓄える「液胞」という器官があります。この液胞に水が満たされると、細胞内の圧力が上がり、風船のように内側から細胞壁を押します。この細胞壁を押す内側からの圧力のことを「膨圧」と呼びます。
膨圧は、まるで植物の体全体を支える、目に見えない無数の風船のような役割を果たしています。この力強い圧力によって、植物はしっかりと立ち上がり、葉を広げ、太陽の光を浴びることができるのです。
しなびた野菜を水に浸けておくと、再びみずみずしくなるのも、この膨圧の働きによるものです。水につけることで、植物の細胞内に再び水分が吸収され、液胞が膨らむことで細胞壁を内側から押し、植物全体に張りが出るのです。
このように、植物は動物とは異なる仕組みで力強く生きています。普段何気なく目にしている植物たちも、小さな細胞の中で、驚くべき力強さを秘めているのです。