花の形の秘密:舌状花ってなに?
私たちの身の回りには色とりどりの花があふれていますが、よく見ると形も実にさまざまです。ふっくらと丸みを帯びたもの、幾何学的な星形をしたもの、すらりと伸びたラッパ型のものなど、その多様さに驚かされます。
では、なぜ花の形はこんなにも多種多様なのでしょうか?それは、植物がより多くの種子を残すための戦略として、長い年月をかけて進化してきた結果なのです。
例えば、ユリのように大きく開いた花は、ハチやチョウなどの昆虫が蜜を吸いやすい形をしています。花を訪れた昆虫は、知らず知らずのうちに体に花粉を付け、他の花へと運んでいきます。また、タンポポのような小さな花が集まって一つの花のように見えるものは、より多くの昆虫の目を引くためと考えられています。
一方、ススキのように、花びらがなく、おしべとめしべがむき出しになっている花もあります。このような花は、風によって花粉を運んでもらうために、風を受けやすく、花粉が遠くまで飛ぶように進化したと考えられます。
このように花の形には、それぞれに意味があり、植物の生存戦略が隠されているのです。花を見る際には、その形にも注目してみると、新しい発見があるかもしれません。