トマト栽培の悩み「裂果」を防ぐには?
- トマトの裂果とは?トマトの表面に、まるで亀の甲羅のようにひび割れが入ってしまう現象を「裂果」と呼びます。家庭菜園でも頻繁に見られる現象で、せっかく育てたトマトの価値を大きく損ねてしまう厄介者です。自宅で食べる分には、味に大きな影響はありませんが、やはり見た目が悪くなってしまうのは残念ですよね。裂果の原因は、トマトの実が急激に水分を吸収してしまうことにあります。トマトの実が大きく成長する時期に、雨が降ったり、土が急に湿ったりすると、実が水分を一気に吸収しようとします。しかし、トマトの皮は成長のスピードに追いつかず、内側から膨らむ力に耐えきれずに、ひび割れてしまうのです。裂果には、実の先端からお尻に向かって放射状に割れる「放射状裂果」と、実のヘタの周りの部分が同心円状に割れる「同心円状裂果」の二つがあります。「放射状裂果」は、実がまだ青い未熟な時期に起こりやすく、「同心円状裂果」は、実が赤く熟してくる時期に起こりやすい傾向があります。裂果を防ぐためには、トマトの実の水分吸収を穏やかに保つことが重要です。具体的には、水はけの良い土作りを心掛け、雨が多い時期は雨よけをする、乾燥が続く場合はこまめに水やりをするなど、土壌の水分量を急激に変動させない工夫が大切です。また、肥料の与え過ぎにも注意が必要です。特に窒素肥料は、実の成長を促進させる効果があるため、与え過ぎると裂果のリスクが高まります。適切な量を守って施肥するようにしましょう。