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土の中の酸素: 好気性について
- 植物の根と空気植物の根は、土の中で養分や水分を吸収するだけでなく、私たち人間と同じように呼吸をしています。 呼吸をするためには酸素が必要ですが、土の中は空気中の酸素濃度が低いため、根は効率的に酸素を取り込む必要があります。土の中の小さな隙間には空気が含まれており、根はこの空気中の酸素を吸収して呼吸を行います。 この時、根は同時に二酸化炭素を排出します。 このように、植物の根も私たちと同じように、酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する呼吸をしているのです。もし土の中に十分な空気が含まれていないと、根は酸素不足に陥り、呼吸が困難になります。 その結果、根の成長が阻害されたり、養分を効率的に吸収できなくなったりします。 ひどい場合には、根腐れを起こし、植物が枯れてしまうこともあります。そのため、植物を育てる際には、土の中に新鮮な空気を十分に含ませることが重要です。 具体的には、定期的に土を耕したり、通気性の良い土壌を使用したりすることで、根が呼吸しやすい環境を作ることができます。 また、鉢植えの場合は、排水性の良い鉢を選び、鉢底石を敷くことで、水はけを良くし、土の中に新鮮な空気を送り込むことが大切です。 -
土壌の隠れた主役:嫌気性微生物
庭いじりをされる方なら、土の状態が植物の成長に大きく影響することはご存知でしょう。そして、土を健やかに保っているのは、肉眼では見えない小さな生き物たち、微生物の働きによるものです。微生物の中には、人間と同じように酸素を必要とするものもいれば、「嫌気性微生物」と呼ばれる、酸素を嫌うものもいます。今回は、土の中で密かに活躍する「嫌気性微生物」について、詳しくお話しましょう。 嫌気性微生物は、酸素があると生きていけないわけではありませんが、酸素が少ない環境でより活発に活動します。土の中で、彼らは主に有機物の分解を担当しています。落ち葉や枯れ枝などの有機物を、私たち人間が消化できないような複雑な物質に分解し、土に還元してくれるのです。 彼らの働きによって、土壌には栄養分が供給され、植物が育ちやすい環境が整います。また、土壌中の通気性を改善し、水はけをよくする効果もあります。さらに、嫌気性微生物の中には、植物の成長を促進する物質や、病気を抑える物質を生成するものもいることが知られています。 つまり、嫌気性微生物は、土壌の健康と植物の生育を支える、まさに「隠れた主役」と言えるでしょう。彼らが活発に活動できるような土作りをすることが、庭いじりの成功に繋がると言っても過言ではありません。
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