進化する育苗:閉鎖型苗生産システムとは?
- 閉鎖型苗生産システムその全貌
閉鎖型苗生産システムとは、その名の通り、苗の生育環境を完全にコントロールできるシステムです。従来の屋外や簡易的なビニールハウスで行う栽培とは異なり、温度、湿度、光、二酸化炭素濃度といった生育に必要な要素を、コンピューター制御によって緻密に調整します。これはまるで、苗のために最適な環境を備えた特別室を用意するようなものです。
このシステムの最大のメリットは、苗の生育スピードを飛躍的に向上させられる点にあります。太陽光に頼らず、最適な光を人工的に当てることで、天候に左右されることなく、一年を通して安定した生育が可能になります。さらに、温度や湿度も常に適切な状態に保たれるため、生育が促進され、従来よりも短期間でより多くの苗を育てることができます。
また、閉鎖型システムは、外部環境から隔離されているため、病気や害虫の侵入リスクを大幅に抑えることができます。農薬の使用量を減らせるだけでなく、より安全な苗を生産できるという点も大きな魅力です。そして、均一な環境下で生育されるため、品質のばらつきが少なく、大きさや形が揃った高品質な苗を安定供給できるというメリットもあります。