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質的長日植物:日の長さで花咲くヒミツ
春の訪れとともに、日に当たる時間が長くなると花を咲かせる植物を「長日植物」と呼びます。しかし、長日植物の中には、ただ日が長く当たるだけでは花を咲かせない、少し変わった特徴を持つ種類も存在します。 これらの植物は、一定時間以上、暗闇に包まれることで初めて花を咲かせる準備を始めます。このような、日の長さだけでなく、夜の時間も花を咲かせるために重要な役割を果たす植物を「質的長日植物」と呼びます。 質的長日植物は、日中の長さに加えて、夜の時間が一定時間以下にならないと花を咲かせないという性質を持っています。これは、植物の体内にある「花芽形成ホルモン」と呼ばれる物質の生成と関係しています。このホルモンは、暗闇の中で作られ、一定量を超えると花芽の形成を促します。 例えば、アサガオは代表的な質的長日植物として知られています。アサガオは、夏の短い夜が、花芽形成ホルモンの生成を促進し、開花を促すのです。もし、夜間に街灯などの光が当たってしまうと、アサガオは夜が来たと認識できず、花芽形成ホルモンを十分に生成することができません。その結果、花が咲かなかったり、生育が悪くなったりすることがあります。 このように、質的長日植物は、日照時間と暗期の長さの微妙なバランスによって開花が制御されています。私たちが普段何気なく見ている花々も、実は複雑なメカニズムによって美しい姿を見せてくれているのです。 -
開花を左右する、限界日長とは?
植物が花を咲かせるためには、気温や水、栄養など様々な条件が必要となりますが、日の長さも重要な要素の一つです。日の長さは日長と呼ばれ、植物の開花時期を左右する要因となっています。 植物の中には、この日の長さの変化を感じ取って花を咲かせるものが多く存在します。特に、日長が特定の長さになると花芽をつけるようになる植物を短日植物、逆に、ある一定の長さより長い日長でないと花芽をつけない植物を長日植物と呼びます。 秋を彩る代表的な花であるコスモスやキクは、短日植物に分類されます。これらの植物は、夏の長い日照時間が終わりを告げ、秋の短い日差しを感じることで花芽を形成し、美しい花を咲かせます。 一方、春から夏にかけて鮮やかな花を咲かせるアヤメやペチュニアは、長日植物に属します。これらの植物は、冬の短い日照時間が徐々に長くなり、春の暖かな日差しが降り注ぐことで花芽を形成し、開花を迎えます。 このように、植物は日の長さの変化を敏感に感じ取り、それぞれの種が持つ性質に基づいて開花時期を調節しています。私たちが四季折々の花を楽しむことができるのも、植物が持つこの巧妙な仕組みのおかげと言えるでしょう。
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