食卓の彩り、花蕾の秘密
- 花蕾って何?
花蕾という言葉、あまり聞き慣れないかもしれませんね。読んで字のごとく「花の蕾」のことで、普段私たちが目にする、色鮮やかに咲き誇る花の姿になる前の、小さくぎゅっと閉じた状態のことを指します。
花蕾は、植物にとって、これから花を咲かせ、種子を作って次世代に命をつなぐための、とても大切な器官です。 つぼみの中には、花びらや雄しべ、雌しべといった、花を構成する重要な器官がぎゅっと詰まっていて、開花の時を今か今かと待ち構えています。
花の種類によって、その形や色、大きさも様々です。丸みを帯びたもの、細長いもの、表面がつるんとしたもの、毛が生えているものなど、個性豊かです。中には、一見すると花が咲いているように見えるほど、華やかな花蕾もあります。
私たち人間にとって、花蕾は春の訪れを感じさせるものとして、古くから親しまれてきました。例えば、早春に咲く梅の花の蕾は「梅の蕾(うめのつぼみ)」と呼ばれ、春の到来を告げる季語としても使われています。また、食用となる花蕾もあり、ブロッコリーやカリフラワー、フキノトウなどが挙げられます。
普段何気なく見ている花も、花蕾の段階から観察してみると、また違った一面が見えてくるかもしれません。