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植物の鎧、鱗片葉の秘密
- 鱗片葉とは 太陽の光を浴びて鮮やかな緑色に輝く葉は、植物が光合成を行うために欠かせない器官です。しかし、自然界には、光合成を行う緑色の葉だけでなく、形も役割も全く異なる葉が存在します。その一つが、「鱗片葉」と呼ばれる葉です。 鱗片葉は、その名の通り、まるで魚の鱗のように薄くて硬い、うろこ状の形をしています。一見地味な印象ですが、植物にとって重要な役割を担っています。 鱗片葉は、主に植物の芽や地下茎などを保護する役割を担います。厳しい冬の寒さや乾燥から芽を守ったり、土壌中の虫や細菌から地下茎を守ったりします。また、球根植物の場合には、栄養分を蓄える役割も果たします。 鱗片葉は、私たちが普段目にする緑色の葉とは異なり、光合成はほとんど行いません。そのため、多くの場合、茶色や白色など、地味な色をしています。しかし、植物にとっては、厳しい環境を生き抜くために欠かせない、重要な器官なのです。 -
冬の庭で見つける生命力:冬芽
冬は多くの植物にとって厳しい季節です。気温は氷点下にまで下がり、冷たい風が吹き荒れます。しかし、そんな過酷な環境にも負けず、春に備えて静かに力を蓄えている部分があります。それが「冬芽」です。冬芽は、植物たちが春の訪れを待ちわびる、小さな命の塊とも言えるでしょう。 冬芽は、葉が落ちた枝の先端や、枝と葉の付け根などに存在します。形は様々で、球形のものや、円錐形のもの、尖ったものなど、植物の種類によって異なります。その表面は、硬い鱗状のものや、細かい毛で覆われていることが多く、厳しい寒さや乾燥から内部を守っています。 冬芽の内部には、春に成長する芽がぎゅっと詰まっています。葉になる芽、花になる芽、茎になる芽などがあり、それぞれが春の訪れとともに活動を再開し、植物の姿を大きく変えていきます。冬の寒さから身を守るため、小さく縮こまっている冬芽の姿は、健気さを感じさせると同時に、生命の力強さを感じさせてくれます。 私たち人間も、冬の寒さに備えてコートを着たり、暖房器具を使ったりしますが、植物たちは冬芽という小さな体で厳しい環境を乗り越えようとしています。道端で見かける冬芽の姿は、一見、寒々しくも見えるかもしれませんが、その中には、春の息吹く暖かな季節への希望が詰まっているのです。
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