4倍体の魅力: より大きく、より華やかに
生きとし生けるものすべてが、その体を作っている小さな部屋のような細胞の中に、染色体という糸のような構造を持っています。この染色体には、その生物の遺伝情報がぎっしりと詰まっており、人間で例えるなら、髪や目の色、身長など、その人を形作る設計図のような役割を担っています。
この染色体の数は、生物の種類によって異なり、決まった数が存在します。私たち人間の場合、46本の染色体を持っており、両親からそれぞれ23本ずつ受け継いでいます。これはあくまでもヒトという種にとっての基準であり、他の生物はそれぞれ異なる数の染色体を持っています。例えば、犬は78本、猫は38本もの染色体を持っています。
染色体の数は、生物の複雑さと直接関係しているわけではありません。染色体の数が少ないからといって、その生物が劣っているということは決してありません。それぞれの生物が、それぞれの進化の過程で、環境に適応するために必要な数の染色体を獲得してきたのです。
また、同じ種であっても、染色体の数が異なる場合があります。これを倍数性と呼びます。例えば、植物では、倍数体になると、実が大きくなったり、環境への適応力が強くなったりすることが知られています。私たちが普段食べている野菜や果物の中にも、この倍数性を活用して品種改良されたものが多くあります。